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おつかれ気味の人へ

September 15, 2021

オリンピック・パラリンピックも静かに閉幕し、気づいたら9月も半ば。
最近は涼しい日とじっとりとした日が交互にやってきて、ワクチン接種の副反応だけでなく、季節の変わり目になんだかからだも気持ちもいまいちぱっとしない、という人もいるのでは。

食事はひっそり、お出かけはこそこそ、家族や友人に会いたいだけなのに帰省や旅行も後ろめたい。職場ではちょっと同僚に聞きたいことがあってもお互い在宅勤務でメールするほどでもないしと、ひとりで頭の中をぐるぐる。仕事中にくすりと笑うできごとや、ぷんぷんすることがあっても、近くの人が出勤していないときはだれかと感情を共有することもできず。
この1年半、どんなに明るく過ごしているように見える人でも、多かれ少なかれ、全員が等しくこんな日々を過ごしているのでは。

「おつかれ」なのは、ほかの国でも一緒。ナイキ(本社:アメリカオレゴン州)では8月に、従業員のリフレッシュを図るため1週間オフィスを閉鎖したのだとか。メンタルヘルスの考え方が浸透しているアメリカでは、コロナ禍以前からも、燃え尽き(burn out)の防止のため(か、ただ早く帰るため)、特に金曜は切り替え上手。アメリカには”Summer Fridays”として夏の期間に金曜の早退や休暇を促進する制度があり、2019年には約55%の企業が導入したそうです。
サンフランシスコ州立大学でも、金曜は定時より少し前に退勤する人はめずらしくなく、定時になるとオフィスはすっからかん。「まだいたの?」(注:定時前)と驚かれたことも。(金曜にかぎらず、定時=消灯のカルチャーだったため、Summer Fridaysによるものだったのかは不明。)南部のアラバマ大学でインターンをしていた友人のオフィスでも、金曜の午後はのんびり仕事の手を緩めながら週末モードだったそうです。
日本でも、不夜城の文科省で、新人研修で産業医が説いていたのは「金曜の夕方から休みが始まると考えれば週末は3日間になる」でした。(実際の退庁時間はさておき。)

わたしたち日本の大学職員は、ただでさえ働き者。国立大学法人(86法人)全体で、職員1人あたりの学生数は7.91人、カリフォルニア大学(UC)全体は、1.76人です(2018年現在)。平時でもやることが多いのに、「緊急事態」が続く日々では、からだもこころもおつかれなのは自然です。

最近、体調がいまいちの人が多いようです(私調べ)。バッテリーは充電しないと電源が落ちてしまいます。今日は金曜ではありませんがノー残業デーです。最低限の仕事だけかたづけて(心身がぱっとしない場合はただちにパソコンを閉じて)、定時で業務を切り上げて、夜ごはんをしっかり食べ、ゆっくりお風呂につかり、きょうあった楽しいことを思い浮かべながら目をつむり、ふとんで眠りについてはいかがでしょうか。休養も仕事のうちです。

*国立大学法人基礎資料集
https://www.janu.jp/univ/gaiyou/

*がんばりすぎない休み方 荻野淳也(2018、文藝社)
https://booklive.jp/product/index/title_id/528052/vol_no/001

*対岸の家事 朱野帰子(2021年、講談社文庫)
https://www.amazon.co.jp/対岸の家事-講談社文庫-朱野-帰子/dp/4065237122
専業主婦、育休主夫、育休明けワーキングマザー、シングルマザーもいれば、妊活、介護、ペットロスのひとも。職場の外での「家の事」は、はたから見えづらいですが、みんななにかしら抱えているもの。「わたし、定時で帰ります」の作者による小説です。

*竹内まりや:幸せのものさし
https://www.youtube.com/watch?v=bonip8MN2iw
閉塞的な日々だと、ぱっとしないのは自分だけ、なんて気持ちになる日も。「隣の芝生が青く見えたらこの庭に花を植えればいい」のです。

(写真:モンタナ州に住むマダムの愛犬Chloe)

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