- 運営しているクリエイター
2022年2月の記事一覧
真っ白なロングブーツの女の子の話
駅のホームで、斜め前に立っている女の子。
膝下まである真っ白なロングブーツを履いている。
白いロングブーツなんて最近なかなか見ない。
歩きにくそう。厚底だし。
真っ白の意味はなんだろう。
ブーツの上にはミニスカートから伸びた女の子のまっ白な脚。
彼女の下半分が白くて輝いてる。
ちょんと彼女が地面を蹴ったら、そのまま大きく跳んでいきそうな気がする。そうか。だから白なんだ。
私の靴はたいてい黒
好きな人に私のことを好きになってほしい話
10年前の自分の写真を見て驚いた。
ちゃんと化粧をしている。髪が長い。
ここ数年、私の定番は薄化粧にショートヘアとなっていた。
知人と男女の友情についての話をしていて分かったのだが、私はわざと男性から異性として見られないようにしている。うぬぼれではなくて、自意識過剰でもなくて、先回りして好意を持たれないようにしている。男女の友情は成立しないと思っている。
化粧を抑える、アクセサリーをしない、体
薄いリアクションとローテンションの話
媚びる、媚を売るっていう行為は、誰に教わってやりはじめるんだろうね。
私はしたくないというのもあるけど、それ以前に仕方が分からない。
というのも、私はテンションが低い上にリアクションが薄い。
リアクションに良く文句を言われる。
いや興味ないでしょ、って言われる。
そんなことないのに。
もっとオーバーリアクションをしろということか。
そんなこと皆やってんのかな。
でも巷やテレビなんかで、わざとら
挙動の理由を聞かれる話
よく挙動不審だと言われる。
自分では全くそう思わないから困ってしまう。
特によく指摘されるのは目線。
人をじーっと見る。
するとなんですか?と聞かれる。
何でもありません、と答える。
じゃあ何で見るの?と聞かれる。
何で見るのって···
見ちゃだめなのですか?
では私はどこを見ればよいのですか?
目を開けている限り私はどこかを見ている。
誰かをじっと見てはだめなのでしょうか。
何秒までならO
私に虹のことを伝えてくれたおばさんの話
ある雨上がりの休日、友人との約束に向かうため電車に揺られていた。
何をしていたかな、よく覚えていない。ぼーっとしていたか、スマホを見ていたか。
ドアの所にもたれかかっていたら、右側から声がした。
「虹が出ていますよ」
声の方を見ると、女性が外を指さして微笑んでいた。
窓の外を見ると、それはきれいな虹がかかっていて、「大きいですね〜」とお互いに言った。
そして虹が向こうに行って見えなくなるまでし
義理チョコが嫌いな話
義理チョコが嫌い。
義理でもらったチョコレート、ほんとに嬉しいのだろうか。貰えないよりは貰える方がよいのだろうか、例え義理でも。
義理ですよ、義理の上にホワイトデーのお返しを強制的に求められるこのシステム。もしお返し貰えなかったら反感買います。そんな義理いるのか。
本命チョコなら百歩譲って分かる。本命だから。あげたこともある。とはいえなぜ女性から男性へが先なのか。誰がこの矢印を考えたんだ。私は
ラムネ引換券を持ってきてくれたおじさんの話
5年くらい前、働いてるお店で眼鏡の販売イベントを企画した。夏祭りをテーマにしようって考えて、イベントのダイレクトメール葉書の端っこに「ラムネ引換券」を付けた。この葉書をご持参いただいた方にラムネを差し上げます。
ラムネを目当てに葉書を持って来る人はあまりいなくて、来店した人に配ることにした。せっかくお店に来るなら楽しいことがあった方が良いし、ラムネのことを知らないで来て、思いもよらずラムネがもら