好きな人に私のことを好きになってほしい話



10年前の自分の写真を見て驚いた。
ちゃんと化粧をしている。髪が長い。
ここ数年、私の定番は薄化粧にショートヘアとなっていた。

知人と男女の友情についての話をしていて分かったのだが、私はわざと男性から異性として見られないようにしている。うぬぼれではなくて、自意識過剰でもなくて、先回りして好意を持たれないようにしている。男女の友情は成立しないと思っている。

化粧を抑える、アクセサリーをしない、体のラインが分かるような服を着ない、声をちょっと高めに出してニコニコ愛想よくしない。女性として意識をされるようなポイントを最初からつぶしていく。

きっとそれは相手に申し訳ないことをしてしまうと思っているから。自分が好きでない人から好意を持たれるのが苦手だ。それまで仲良くしていても、相手の好意が垣間見えた瞬間にげんなりする。ただの友達でいたいのに、優しくできなくなってしまう。

とてつもないわがままなんだが、私が好きになった人に私を好きになってほしい。
そんなこと滅多の滅多に起きないので、私の人生で幸せな恋愛はほぼないに等しい。相手に自分のことを好きになってもらう努力ができないから。
前回の記事のように、私はありのままの自分で接することしかできない。

だから向いてない。
私のことを好きなひとを好きになれたらどんなに良いだろうか。

そんなことをうだうだ考えていたらあっという間に真夜中だ。
この歳で誰かを好きになるなんてことはもう滅多に起きない。無理に好きになることはないのだけど、きっと忘れた頃にやってくるのだ、そういう感情は。そしてきっとまた苦しむんだ。


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