終わりが苦手な話

ドラマの最終回を見ない、ということが多々ある。
途中まで面白く見ていたのに、次が最終回だとわかると途端に見たくなくなる。
3連休が待ち遠しかったはずなのに、2日目の夜にはもう憂鬱になる。ああ、あと1日で終わってしまう。

終わりは寂しくて苦手だ。その後にまた何かが始まるのだとしても、終わってしまうという寂しさを避けたい私がいる。

友人関係。恋愛関係。きっぱりと終わらせることができない。相手には申し訳ない限りだけど、フェードアウトしてしまう。その態度で感じ取って欲しい。それとも、世の中には終わらせたいとはっきり言われたい人の方が多いのだろうか。

10代のころ、雑誌の文通コーナーで知り合った何人かの見知らぬ人と文通をしていた。でもそれがいつ終わったのか分からない。どちらかがもう終わりにしようと切り出した記憶はないから、これもフェードアウトらしい。

家には読みかけの本がたくさんある。
使いかけのペンがたくさんある。

どうやらものごとの境界線というものを曖昧にしたいみたいだ。
だってフェードアウトした相手でさえ、たまに思い出してどうしてるかな?なんて、考えているんだから。

白黒付けられない。
もし白黒付けている私がいたならば、それは私の意思ではない可能性が高い。
終わりを避けて始まるばかりだとすぐにいっぱいになってしまうから、私は新しいことが始められないのかもしれない。

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