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北海道はてんさい?~実態と歴史~

こんにちは!
北海道だいすき、くりあです。

皆さん、普段お砂糖は使いますか?
料理だけじゃなくて、お菓子作りにも使いますし、お惣菜やおやつからも摂取しているかと思います。
そんなお砂糖、北海道でたくさん作っているんです!
その原料となる「てん菜」について、今日はお話ししたいと思います。

(タイトル「北海道は天才」じゃなくて、「北海道はてんさい糖」です、つまらないダジャレですみません。笑)

今回は年内最後と思っているのですが、てんさい糖の奥が深くて、なんと年をまたがっての更新となってしまいます‥。
なんともキリが悪くて申し訳ないのですが笑

てんさい糖、前編です!


てん菜?

北海道特産の、砂糖の原料になる植物です。
砂糖といえば「さとうキビ」と思われるかもしれませんが、フランスやドイツなどのヨーロッパでは、砂糖といえばてんさい糖のことをさします。
全世界の砂糖消費量の約30パーセント、日本では約25パーセントが、てん菜から作られた砂糖なんですよ!


主な砂糖の種類

➀てんさい糖

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今回のメインテーマ。
てん菜の蜜を含んだまま高温で乾燥させた茶色の砂糖です。
まろやかな甘さ、風味やコクがあり、天然のミネラルやオリゴ糖を含みます。


➁上白糖

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もっとも一般的に使用されている砂糖。
結晶が細かくしっとりとした風味で、白砂糖とも呼ばれています。


➂グラニュー糖

上白糖よりも結晶が大きく、サラサラとした砂糖。
淡白な甘さを持ち、コーヒーや紅茶、お菓子作りや料理にも広く使われています。


➃三温糖(さんおんとう)

黄褐色をした砂糖。特有の風味を持ち、甘さも強いです。
煮物や佃煮などに使うと甘さとコクがでます。


➄白双糖(しろざらとう)

結晶がグラニュー糖よりも大きい無色透明の砂糖。
一般的に家庭で使われることは少なく、高級な菓子や飲料に使われています。


➅液糖(えきとう)

溶かす手間が省けるため、ガムシロップをはじめジュース類、ソース、焼き肉のタレ等に使われています。



見た目は大根?

てん菜は、ビートとも呼ばれます。
(以前紹介したレッドビートの仲間です!)



サトウダイコンともいわれますが、どちらかというとカブに似ています。この根の部分に糖分が蓄えられているので、それを取り出して砂糖を作ります。

見た目は大根やカブのようですが、分類上はほうれん草と同じヒユ科に属します。

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歴史(世界)

てんさい糖が発見されたのは、今から約250年前の1747年のこと。
てん菜の根から砂糖を分離することに成功しました。

てん菜は、カスピ海やコーカサス地方の原産で、家畜の飼料として用いられていたと言われています。
それまで、てん菜から甘い汁が出ることは分かっていましたが、これがさとうキビからとれる砂糖と同じ成分であるとは知られていませんでした。

世界初の製糖工場が設立されたのは、1801年
てんさい糖の製造が急速に広まったのは、ナポレオンによる「大陸封鎖」がきっかけだったといわれています。
トラファルガー沖海戦でイギリス軍に敗北を喫したナポレオンは、イギリスとその植民地の物産を大陸から締め出した時、たちまち砂糖の価格は暴騰しました。
そこで、てんさい糖の製造が大いに奨励されたのです。


歴史(日本)

日本でてん菜が初めて栽培されたのは1870年。
西欧に追いつくことを目標に、明治政府は農業の近代化にも力を入れ、西洋作物の種子を輸入しては、東京開墾局で試作させていたといいます。てん菜もその一つでした。

当時大々的な開拓を図っていた北海道で栽培を試みましたが、そううまくはいきませんでした。
しかし、明治政府からパリ万博に派遣された当時勧農局長松方正義は、西欧諸国での甜菜糖業の隆盛を目の当たりにし、日本への本格的な導入を決意。


歴史(北海道)

松方正義は帰国してからてんさい糖業の導入に奔走し、北海道の現在の伊達市に官営の製糖工場を建設しました。この官営工場は、農業・工業の両面で技術が未熟で残念ながら15年ほどで解散、その後も研究を重ねましたが、どれも上手くいかなかったといいます。
1871年にも現在の函館市、1878年には札幌農学校での試作後、北海道で大規模に栽培することとなりました。

それからしばらくてんさい糖事業の名は歴史上で出てきませんでしたが、第一次大戦後、日本経済が活気を呈したことを受け、1919年頃には製糖事業の新会社が相次いで設立。
松方正熊が興した北海道製糖と、旧日本甜菜製糖の2社です。
両社は、それぞれ十勝国の帯広と清水に工場を建設し、操業を開始しました。
製糖業は約20年ぶりに復活しましたが、期待に反し現実は厳しく、両社とも創業直後から早くも経営難に陥るなど、苦難の道を歩みました。
後に両社は実質的に合併して、現在の日本甜菜製糖に受け継がれています。


ちょっと複雑な歴史背景?ですが、いつも何がなく使っている砂糖も、試行錯誤されて作られているんだなぁと思いますね‥!

おせち料理にも砂糖はよく使われると思います。もし見つけたら、てんさい糖も使ってみてくださいねー!

少し早いですが、良いお年を・・☆

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