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ドイツ留学日記:よく聞かれて困った日本のこと🇩🇪🇯🇵


アニメなどがきっかけで日本の文化について興味を持ってくれている海外の人が多くいます。普段の日常会話の中でもよく日本について聞かれることが多いのですが、聞かれるたびに日本にいた頃私は何をしていたんだろう..!と思うほど聞かれて困る場面が多々あります😇

今回は、そんな場面を私が記憶に残っている中から2つ書いてみようと思います。

日本人として留学予定がなくても知っておいてほしいし、これから留学する人にとっても知っておいて損はないシリーズです👀


神と仏の違いってなに?
What is the difference between God and Buddha?

*English description is below*
これは多分一番多く聞かれた質問だと思います。似たような質問で「神社と寺の違いは?」や、「仏教の神様って誰?」「仏陀ってなに?」など宗教絡みのことを多く聞かれました。

やはり海外の人は生まれた時から両親の影響で何かしらの宗教に属すのが当たり前の人が多く、一緒に何か料理をするときに豚が絡んでいるものが含まれてないか細かく確認する友達や、毎朝お祈りをしてから学校に来る友達、美術館に行くとガイド並みの知識の豊富さで絵画を解説してくれるキリスト教の友達もいたりしました。

なので「何の宗教に属しているか」を聞かれた後に、強いて言えば仏教と答えると大体この質問が出てくる、といった流れで聞かれることが多かったです。

日本にはもともと稲作を始めた頃から、自然には神が宿っており雨を降らせたり日差しをもたらすという考えが広まりました。そして祈りで自然を統制できる人が村を統治するようになり、人々はこれらの統治する人を神の子として崇めるようになりました。なので今も日本各地に”様々な種類”の神様が祀られているのですね。このように万物に宿るものとして「八百万(やおよろず)の神」がいる、という考えが神の起源です。今でも地鎮祭などでその土地の神様を祀る行事などが行われていますよね。

一方、仏はインドからやってきた宗教の最高位です。悟りを開いたインドのお釈迦様が仏陀と呼ばれる、すなわち仏様のことです。もともとは輪廻転生から解脱するために修行をして仏になろうという考えらしく、修行してなれるものが仏で、修行でなるものではないのが神というわけです。

こういう背景を知った上で改めて日本の歴史を調べるととても繋がりがあって面白いのですが、
仏教が日本に入ってきたとき、すでに神様を祀っていた日本で仏教をも受け入れられるかどうかという論争が起きていました。
「神道の神だけを信じ、仏教は排すべき」と言った物部守屋
vs
「仏教の力で国を治めるべき」と言った聖徳太子・蘇我馬子ら
の丁未の乱という戦いです。この戦いで聖徳太子側が勝利し、仏教が日本で広まることになりました。聖徳太子はこの戦いの前に、四天王という仏教の神様に戦勝祈願をして勝利した暁に寺院を建立すると誓願を立てていました。こうして約束通り日本で初めての勅願寺院の四天王寺が建立されたのです。この戦いで物部守屋側が勝っていたら今頃日本に仏様という概念はなかったのかもしれないと考えると何だか不思議です。

こうして仏教が入ってきたことで、元から存在した神と新しくやってきた仏が同時に崇められたりしました。こうして明治時代で禁止令が出るまで神仏習合が生じていくようになりました。

ここまで長く長く書いてみましたが、What is your religious faith?に対して、I’m an atheist.という返しは良くないらしく(無宗教の人をよく思わない人もいるらしく)I’m not religious. but..みたいな感じで仏教って答えるのが無難かなと思います。

海外の人に良くウケるのは、「クリスマスを祝って正月は初詣に行くよ」っていうと結構面白がられたりします笑


I got this question a lot. The answer is back to the time when Japan originally started rice cultivation, the idea that nature is inhabited by gods and brings rain and sunshine spread. People who could control nature through prayer came to rule villages, and people began to worship these rulers as the messenger of gods. This is why there are many different types of gods enshrined throughout Japan today. The origin of gods is the idea that there are "eight million gods" that dwell in all things. Even today, people hold events to worship the gods of the land, such as ceremonies of sanctified ground.

On the other hand, Buddha is the supreme deity of religion that came from India. The Indian Buddha who attained enlightenment is called Buddha. Originally, the idea was to practice asceticism to become a Buddha in order to be liberated from reincarnation, and what you can become through practice is a "仏", and what you cannot become through practice is a "神".

As I said, it is natural for many people in foreign countries to belong to some kind of religion from the time they are born because of their parents' influence. There are friends who would check to see if there are any pigs involved when cooking together, friends who would come to school after praying every morning, and Christian friends who would explain the paintings to me with as much knowledge as a guide when we went to a museum. 

So after being asked "What is your religious faith?", if I had to say Buddhism, I was usually asked this question:)



侘び寂びとは
What is Wabi-Sabi?

これもかなり良く聞かれた質問です。一番初めに聞かれた時全く説明ができずその日の夜にしっかり調べていたらその数日後に別の人に聞かれて2回目以降はきちんと説明できたのを覚えています😇

かなり驚いたのは、意外と多くの外国の人が侘び寂びという言葉を知っていることです。この前の会話はこんな感じでいきなり登場しました笑

友達「日本語いくつか知ってるよ〜!」

私「え!すごい!何知ってるの?」

友達「ありがとうございます」

私「あー!」

友達「さらば」

私「アニメの発言ぽいね笑」

友達「侘び寂び」

私「え?????3番目に侘び寂びって出てくるん???」

聞かれるたびにどこでその言葉覚えたの?と聞いていたのですが、人によって日本についての記事を読んでたり、美術館の説明で知ったりなどだそうです。

この「侘び寂び」という言葉は侘びと寂びという二つの単語からなる言葉です。

侘びとは、さびれや汚れ,質素さを受け入れて楽しもう!とポジティブに捉えること、つまり内面的な美です。
寂びとは、外見の美しさについての言葉です。この世にあるものは、時間が経つにつれて、さびれたり、汚れたり、欠けたりします。このような劣化を逆に、美しいと捉えるのが寂びです。

つまり、寂びの美しさを見出す心が侘び、という感じですかね。

よく使う例として、神社などでコケが生えて全体的な見た目が劣ってしまったものに対して、そのコケが生えるまでには何十年もの月日がかかっていてその歴史自体に風情を感じることが侘び寂びということ、です。

Wabi means to accept and enjoy rustiness, dirtiness and simplicity. In other words, it is about inner beauty.  It is a positive way to accept them.
On the other hand, Sabi is a word about the beauty of appearance.  As time goes by, things in this world become rusty, dirty, and chipped. Sabi is to regard such deterioration as beautiful.

In other words, Wabi is the spirit that finds the beauty of Sabi.

A common example of Wabi-Sabi is when you see a shrine that has lost its overall appearance due to moss growing on it, but you should feel a sense of beauty in the history of the moss, which took decades to grow, and this spirit is all about Wabi-Sabi.


おわりに

他にも面白い質問で、「電車がちょっとでも遅延したら駅員さんが土下座して謝るって本当?」「箸の正しい持ち方教えて!」などなど日本にまつわることをたくさん聞かれました笑
日本は質の高い独特な文化を持っているなと留学していて日々思う毎日なので帰国したら日本についてもっとたくさん知ろうと思います💪





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