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「イタリアンレストランで学んだ現場の知識と価格設定の重要性」

初めてイタリアンレストランでお手伝いし、私は多くの新しい経験と学びに満ちた日々を過ごしました。接客の在り方や、厨房での調理作業、そして経営面での価格設定など、多岐にわたる業務に直面したのです。その中で得た知識と経験は、現在の仕事においても非常に重要な基盤となっています。

ウェイター、ウェイトレスの仕事と厨房の調整

和食のように一つのお盆の上に主食、副菜、汁物を載せることが出来るのですが、イタリアンではウェイターやウェイトレスがスープ、メインなど、何回、お客様のところまで運ばなければならないか、厨房では提供時間を考え何分で料理が出来上がるか、盛り付けがぶれないかなど、味が良くてもメニューに出すまでに多くの要素を考慮する必要があることを学びました。

価格設定について

価格設定では、原価も重要な要素となります。例えば、パスタの場合、原価率30%以下という低原価で価格設定を行います。コアな商品は何食出るのか、粗利を計算し、他の商品とのバランス、つまり粗利ミックスを検証することが求められます。外食の価格設定は惣菜よりも柔軟に設定できます。多少高い価格設定でも、レストランの雰囲気や接客、見栄えが良ければお客様は来店してくれます。カジュアルレストランかファーストフードに近いかによっても、客数と客単価のバランスが変わり、それが味付けにも影響します。頻繁に来店するお客様が多い店舗では、あまりインパクトのある味付けにしないことで何度も来てもらえるようになります。

景気が悪いからといって価格を下げるのは良くありません。これが最終的にお客様にとって良い商品を提供していないと感じさせ、遠のいてしまうからです。まずは原料の見直しやオペレーションの改善を検討し、それでも難しい場合に価格変更を決定します。

家庭のレシピとの違い

家庭で作るレシピとの大きな違いは、これらの事柄を考慮してレシピに落とし込むことです。これには経験が必要であり、現場で学ぶことが重要です。現場を知らないと最終的にクライアントからの依頼がないことも学びました。

初期段階で必要な知識の獲得として

現場で学ぶべきこととして、このほかに機械・調理・食材の3つがあるのではないかと思います。

機械を知る

現場を知る上で、厨房内の機器の重要性に気づきました。当時、各メーカーで行われているデモンストレーションに参加し、様々な機械について学び、特に印象的だったのは、スチームコンベクションという機械です。これは、一般の家庭では使用しないもので、スチームとオーブンの両方の調理が一度にできる機械です。これを学ぶことで、温度や湿度の調整が調理にどれほど重要かを理解しました。

大量調理を知る

ホテルでの調理方法は、結婚式などの大量調理が必要な場面も多く、低温調理の重要性を学びました。低温調理では、パックに調味料液体と鮮度管理された生の食材、もしくは加熱済みの食材を一緒に入れ、それを真空包装にします。これにより調味料が食材にしっかりと浸透し、食材の中心温度を設定することで、ジューシーな食品が出来上がります。この調理法は、高温で加熱するレトルトパックとは異なり、素材の組織を壊さずに調理できる点が非常に魅力的でした。当時、「調理は化学である」と感動したのを覚えています。

食材を知る

厨房に入ると、各メーカーから様々な食材が送り込まれてきます。私は食材の袋の裏面に書かれているメーカーをメモし、メーカーに直接電話をかけてサンプルを依頼しました。当時はサンプルの依頼が比較的容易で、多くのサンプルを手に入れることができました。これにより、各メーカーの特徴を把握し、クライアントから食材についての質問があれば、適切なアドバイスができるようになりました。

フリーランスとしての必要性

様々なことを学ぶうちに、イタリアンレストランだけでなく、あらゆる業態を網羅することがフリーランスとして必要であると痛感したのです。



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