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売り場での経験と外食および中食におけるノウハウの相互活用

売り場での提案

売り場での経験を通じて、外食の仕事をしながら惣菜への提案を模索していました。バックルーム(厨房)に入ることで、値引きシールが貼られるタイミングや原価の大まかな把握ができたのです。厨房内における負の要素も次第に見えてきました。
フライヤー作業をしていると、朝7時から始まる揚げ作業は、油の匂いでひどい頭痛を引き起こし非常に過酷です。
一方、スチームコンベクションの作業も楽ではなく、配置によってはお客様に背を向けてひたすら作業するため、ストレスが溜まります。
バックルームでの作業では、きつい工程とそうでない工程があり、うまくローテーションを組むことが重要です。これを怠ると従業員のモチベーションが低下し、離職が発生することが分かりました。

新店オープンのサポート


新店オープンのサポートでは、働かない人がいることが判明し、その人たちは私よりも年上で、注意がしづらく苦労しました。このようにして現場の理解を深めましたが、惣菜に関してはまだ初心者であったことは否めません。

外食での学び

中食のバックルームの流れを学びつつ、外食では、より仕組みがしっかりしている企業を紹介してもらいました。
顧問先は、ファミリーレストランの開発部門です。
契約前にセントラルキッチンと店舗を見学したのです。セントラルキッチンで作られた料理や素材はいったん冷凍され、店舗に配送されます。
店舗での調理は、グリドルとフライヤーのみで、フライパン調理、蒸し器もない状態でした。この限られた環境で、大量のランチを提供していることが分かったのです。

ハンバーグの乾燥対策
和食のファミリーレストランとはいえ、ハンバーグのランチの出数が多く、惣菜と違いは、ハンバーグの作り置きができないことも大きな課題となっていたのです。何故なら、ハンバーグが時間が経つと表面の乾燥が著しいからです。その対策として、粘性のあるたれをコーティングとして使用する惣菜のノウハウがここで生かされました。
580円ランチの開発

依頼されたランチの開発は、580円という価格設定で、売れすぎると利益が出ないという難題がありました。しかも1食あたりの量は全量で600gと定まっており、きちんとしたデータに基づいて設定されたとのこと。これを2種類の調理と5分以内の提供が求められます。低原価でこの条件を満たすメニューを提案するのは当時でも非常に難しく、常駐の板長も同様に苦労していたと聞きました。改めて、外部委託というのはこの常駐の人が苦労する内容のものを依頼されることを痛感したのです。

試作と実践

さて使用する食器は、中国で大量生産されたもので、一見、鍋島風のもので、しかも強化磁器で洗浄機にも対応できるものでした。店舗内で使用されている食器を全て、自宅に送ってもらい、使用されている調味料を使っての試作を行いました。
惣菜の現場で勉強しつつ、外食のメニュー提案という二足のわらじで取り組みました。

外食と中食のノウハウの融合
外食の仕組みがしっかりした企業での経験は、惣菜提案にも大いに役立ちました。例えば、580円のランチでは季節感を出すために、ご飯で季節感を出すことが多く、ある食材をご飯に混ぜ込むのです。この方法は、中食においても非常に有効で、一見、炊き込みご飯のように見えて、実際は混ぜ込みご飯であるこのノウハウは、スーパーのバックルームで炊き込みご飯ができない状況に大いに役立ったのです。

提案力の強化
外食の提案では、厳格なオペレーションの中で効率的かつ高品質なメニューを提供する方法を学びました。中食、外食のノウハウを相互に活用することで、提案力を強化し、より良い商品開発に繋げることが出来ると思ったものです。




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