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ドラマ「ホットママ」を観て、感じたあれこれを整理する

こういったテーマには議論が発生しがちで少々気が引けるが、とにかく感じたことを控えておきたいと思う。専門家の方から見ると見当違いのこともあるかと思うが、ご容赦いただきたい。

最近、Amazonプライムでホットママという配信ドラマを観ている。

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08Z34W8LM/ref=atv_dp_share_cu_r

20代中盤、異動に伴って、今まで以上に仕事を頑張るぞ!というタイミングで不注意から妊娠した女性が、仕事に育児に奔走する物語。(※事の起こりはまったく共感しかねる)

自分が近い将来通る道かもしれないと思うとさまざまな感情が湧き上がりグルグルするため、妻視点、夫視点に分けて整理したいと思う。


■妻・夏希を見て

妊娠・出産にあたって、きっと今の社会では「女性が何かを諦める」という概念がつきまとう。「なぜ女性だけが」と嘆かれがちだが、このドラマの面白みは、夏希が「諦めない」ところにある。

(※重ねて言うが、事の起こりがそもそも男女共に悪く、まったくフォローできず、応援する気も失せるくらいではあるが)

夏希はとにかく負けん気が強い。そして、世界的なファッションディレクターになるという、大きな夢もある。よって、仕事を諦めないこと=そのために夫がすべてフォローすることを条件に結婚を決めた彼女は、実際に産後3ヶ月ほどで職場復帰を果たす。(このとき、身体に大きな負担を掛けていることもドラマで描いてほしいものである)

夢を追ったり、キャリアアップを目指す女性にとって、妊娠・出産によって自分の席を空けなければならないことは不安以外の何物でもないだろう。夏希の場合はこれまでの努力と評価があり、戻れる場所、待っていてくれる人の存在があった。


だが、自分はどうだろう。今の仕事でたとえば1年や2年休んだとして、果たして元の場所に戻れるのだろうか。必要とされるだろうか。

「終わりから描く」という考え方は、名著『7つの習慣』でも語られている。もちろん育休は「終わり」ではない。ただ、妊娠を望む20〜30代女性にとっては一つの区切りとして、「妊娠」「育休」というプロットを置き、そこから自分のあり方を逆算することが必要なのかもしれない。人生をデザインするとはそういうことなのだろうか。

何も諦めないためには、少なくとも事前に準備が必要だということ。将来的に「○○を諦めることになった…」と嘆かなくていいよう、日々の働き方やインプットを改めて見直したい。


■夫・元哉を見て

どちらかといえば、これからの社会の問題はこちらではないだろうか。

「キャリア×出産」という文脈において、女性の味方は増えてきているように思うが(もちろんまだまだであるが)、一方で男性についてはどうだろう。厚生労働省の「雇用均等基本調査」によると、2019年度の男性の育児休業取得率は7.48%。ネット上に、育休なのに何もしないご主人の愚痴がゴロゴロ転がっているのを見るかぎり、そのうち、本当に育児にコミットしている男性はどのくらいなのだろうか。

元哉は、育児、家庭にフルコミットしたいという、まさに新世代の夫像と言える(そもそもこれを新世代と感じているのが、私がもつバイアスかもしれない)。7年間も片思いしていた大好きな妻を守るため、子どもを守るため、自分の仕事よりも家庭を大事にしたいと強く願っている。

ここからが大きな問題になるところだが、彼にはロールモデルがいない。自分の想いはあるのに、同じ境遇で完全に分かりあえる人がいないのだ。初めは妻でさえわかってくれなかった。上司は昔ながらの「男は黙って仕事!家庭を守るのは妻に任せろ!」タイプでまったく話にならない。

たしか、話題になった逃げ恥スペシャルでも、育休を取る男性に対して上司の理解が得られないシーンが描かれていたように思う。家庭参加におけるギャップ(世代間?)が、男性の育休や育児参加を阻害していると言っても過言ではないかもしれない。もちろんお金の問題などもあるだろうから、一言では片付けられないが。

ちなみに話が逸れるが、妻が初め理解してくれなかったのは「男性は仕事をするもの」という考えからではなく、「誰しも仕事で成し遂げたい夢があるだろう」という思い込みだったのがまた悲しい。「大事なもの」は人によって違うということは、私も肝に銘じておきたい。


ひとまず整理できた点

ここまででわかったのは「女性のキャリアと出産」という文脈において、女性へのフォーカスではまったく足りないということだ。

「まったく育児に興味がない男性」については論点がずれるのでここでは除外するが、少なくとも妻と協力して温かい家庭を築きたいと思っている男性を支援できるように、周囲の理解とフォロー体制を整える必要がある。

私は女性で、いずれは旦那さんと協力して育児と仕事を両立したい、なんて思いながら、女性の働き方ばかりに気を取られていたことを反省した。

男女ともに「大事にしたいものを大事にできる社会」を目指して、微力ながら自分にできることを考えたいと思う。



余談・・・

商社マンの瀬戸を演じている俳優さんが、THE・商社マン!という出で立ちで笑ってしまう。作り手のこだわりを感じる瞬間である。


#ホットママ

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