大泉 えり

24時間人工呼吸器を使う娘のケアをしながら「在宅オフロ研究家」として医療ケアが必要な子…

大泉 えり

24時間人工呼吸器を使う娘のケアをしながら「在宅オフロ研究家」として医療ケアが必要な子どもの自宅での入浴習慣の研究や、簡易浴槽「かえるのオフロ」を開発して販売しています。 「自分の意志で自分の人生を生ききることができるように」日々行ったり来たりしながら楽しく進んでいます。

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命の使い方を学んだ二週間

小学六年生の二学期はかなり怒涛の学校生活になるだろうということは、予想していたけれど、本当に毎日が濃密過ぎて「蜜」だ(笑) 9月は緊急事態宣言下での「運動会」、10月は「修学旅行」、11月は「学芸会」改め「表現発表会」と、毎月学校行事が開催されている。先日ようやく「表現発表会」が終わったところで今、書き残しておこうとパソコンに向かっている。 娘の通っている小学校はたまたま、児童数千人近くのマンモス校で、たまたま「健康推進指定校」だ。神経難病で人工呼吸器を使っている娘には適

    • ブルーインパルスを待つだけの空に感動した理由

      2021年7月23日、東京オリンピックが始まった。開会式に先駆けて、ブルーインパルスによるアクロバット飛行が行われた。 私は敢えて、ブルーインパルスの写っていない空の写真を載せておきたいと思った。 事前に友人が教えてくれた飛行ルートを見ると、我が家からも見えるかもしれない。スモークが出ていなくとも、一目、生のブルーインパルスを見てみたい!マンションではない住宅地、見える空の大きさは限られている。それでも。 人工呼吸器を使う娘は、昨夜体調を崩して病み上がりだから「見ない」

      • 「アケマシテオメデトーゴザイマッス!」日本一の子ども病院にいた11年前の年越しのこと(後編)

        前編を読んで待っていてくださった方、お待たせしました。 11年前、子ども病院の病室でお隣さんだった「ミックスベイビー」Mくんの、陽気なスリランカ人のパパによる衝撃的な年越しの後の、彼との話を綴りたいと思います。 -------------------------------------------------------------------------- 彼から受け取ったもの当時、私が彼から受け取ったものは本当にたくさんあった。 「人工呼吸器を付けなければ、二歳までは

        • 「アケマシテオメデトーゴザイマッス!」日本一の子ども病院にいた11年前の年越しのこと(前編)

          娘が生まれた2009年、生後6ヶ月で自宅で窒息して救急搬送され、12月の初めには日本一の子ども病院にたどり着き、クリスマスイブに、娘は二歳までは生きられない神経難病だと告知された。 私にとっては、それまでの人生で最悪で最も苦しい12月だったと思う。 医師は私と夫に、このまま何もしなければ、二歳まで生きられない病気だと告げた。でも「人工呼吸器をつければ、生きることができる」とも説明した。全身麻酔をかけて、気管切開する手術をするかどうか、人工呼吸器をつけて生かすかどうか。少しだ

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          母子密着10年「外出困難者」の私が

          母子密着10年「外出困難者」の私が今できることって何だろう? 今、感染の恐れもあって家から出られなくて「社会」と途切れたような、一日ずっと子どもが家にいることにも何だか窮屈な気持ちのお母さんがいらっしゃるとすれば、私がこれまで経験したことから、何か参考にしてもらえることがあるかもしれません。 人工呼吸器を24時間使う子どもを看護子育てするということは、子どもから3分以上目を離せないということです。 つまり、人工呼吸器は信頼できる機械だけど100%信じてはいけないものでも

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