ブルーインパルスを待つだけの空に感動した理由
2021年7月23日、東京オリンピックが始まった。開会式に先駆けて、ブルーインパルスによるアクロバット飛行が行われた。
私は敢えて、ブルーインパルスの写っていない空の写真を載せておきたいと思った。
事前に友人が教えてくれた飛行ルートを見ると、我が家からも見えるかもしれない。スモークが出ていなくとも、一目、生のブルーインパルスを見てみたい!マンションではない住宅地、見える空の大きさは限られている。それでも。
人工呼吸器を使う娘は、昨夜体調を崩して病み上がりだから「見ない」と言う。まぁ、いいか。愛犬を連れて自宅の外に出てみる。
12時半過ぎ、暑い…。
さすが梅雨明けのトーキョー(+_+)
待つこと、5分ほどだろうか。
自宅内の娘のアラームが鳴っていないか耳をすましてみる。OK、大丈夫。
じりじりと汗ばむ。
日陰を探して空を見上げ続ける。
あ、この空を、ブルーインパルスだけを待って見上げる空の、なんと穏やかなことか…!
ミサイルが飛んで来るわけではない。
敵機が来襲することもない。
スマホの中のYouTubeの中継からは、高層ビルの建ち並ぶ大都市トーキョーが見える。緑の公園もある。
77年前、命の危険と隣り合わせで見上げた空を思えば、日傘片手に愛犬を連れて、なんと幸せな時間だろう。
今、この国は、ウィルスと戦ってはいるけれど、他国と戦ってはいない。ブルーインパルスは人を殺めるために飛ぶのではない。
だから、カラースモークが薄かろうと、今日の雲が多かろうと、そんなことはいい。
私の目の前に現れたブルーインパルスは、格好良かった。思わず、通りがかりの人たちに空を指さして伝えた。見知らぬ隣人やいつもの隣人と「おぉ~!」と分かち合えた。
平和ということ。
命ということ。
今、あなたがいるということ。
2021夏の空の青さが、教えてくれたこと。
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