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”始めたきっかけは何ですか?”②

前回の記事からの続きです。
”始めたきっかけは何ですか?”①|Forest Chimney 麦わら手仕事教室|note


シュタイナー保育園での体験

会社で悶々としていたころ、ある保育園で偶然、子供たちと交流させていただく機会をいただきました。
突然訪ねて行った(オーガニックレストランと保育園が併設されているんです)にもかかわらず、保育室に招かれ、お誕生日をお祝いする会に入れていただいたのです。

蜜ろうキャンドルに火をともし、ある子のお誕生日を祝います。
私と夫(結婚前)もその輪に加わります。
静かで、とてもあたたかな時間。
保育園には様々なタイプのお子さんがいましたが、すべての子が受け入れられていることを感じました。
とてもあたたかく幸せで印象的な時間でした。

二回目に尋ねてみると、中学生の男の子が保育園の手伝いをしていました。彼はそこの卒園生とのこと。とてもしっかりしていて、「自分軸」を持っていることを感じました。

そのようなことから、「シュタイナー教育」に対してよいイメージを持っていきました。
そして同時に、何か経済社会とは離れたところの、あたたかさ・優しさに触れて、驚きのような、嬉しいような感覚を経験したのだと思います。

©forest chimney


美しさと意味の両面に惹かれる

結婚後、栃木で一年暮らした後、夫の転勤で広島へ引っ越しました。長男が生まれ、一歳の誕生日プレゼントを探しに行ったのが前回記事の冒頭のおもちゃ屋さんです。
ドイツのおもちゃを扱っているお店はたまにありますね。そこではストロースターキットを扱っているところが結構あるかと思います。
ストロースターはドイツの手仕事だからです。
そして、シュタイナー教育もドイツのルドルフ・シュタイナーが提唱したものですから、関係が深く、シュタイナー学校の授業でもストロースターが使われていると聞きます。

©forest chimney

そんなことを聞き及んでいて、ストロースターキットを手にしたのだと思います。(その時の気持ちは、はっきりと覚えていなくてすみません。)
ただ、今も同じですが、自然のものから美しいものを創り出すこと。これ自体に非常に魅力を感じたのだと思います。
とにかく、説明書と格闘しながらも、育児の合間にストロースターを作り、クリスマス飾りにしていました。

その後すぐに、「ヒンメリというのもあるんだ…」ということで、おおくぼともこさんの本を元にヒンメリの制作にもあたりました。
知人のいない土地での育児、しかもアトピーのある息子。手仕事は私の癒しでした。

ストロースターもヒンメリも、幾何学的な美しさとともに、意味に惹かれていきました。ヨーロッパでは麦藁自体が昔から神聖視されていましたし、祭事に使われていたこと。それは五穀豊穣祈願からつながる、”幸せを願う”お守りのような意味を持つこと。身近な素材から美しいものを創り出す喜び光と影、闇の中の星、天・宇宙
そういったことは、口には出さなくとも、私の中では惹きつけられるものがありました。
幾何学というのは抽象的な美であって、抽象的だからこそ世界全体(天)を表現できるのだと思います。見る人が、そこに意味を見出すものなのです。

©forest chimney


ずっと、自然との共生と幸せについて哲学している

その後、各地を転々としながら三児の出産・育児をしてきました。一時は長男がシュタイナー幼稚園に通う時期もあったりして、そのあたたかさと芯の強さに触れ、感銘を受けたり。けれども、また転勤…ということもあったりして、様々な環境に強制送還されてきました。(ゼロからの人間関係構築、地理インプット、各種手続きは膨大なエネルギーを必要としました…)
ようやく、昨年秋に今の場所に落ち着くことになり、転勤による強制終了の恐怖から離れることができました。
その間、様々なことがあり、様々な苦労もありました。
手仕事も、麦藁以外のことも体験してきました。

転々とする中で、私にできることは限られていましたし、自分と未来に必要なことは…と考えた時には「農的生活」「手仕事」に結局行きついてきました。
それは、私の中にはやはり自然に対する思いがあって、それにマッチすることをやりたいというのがあったから。
「土から離れては生きられない」
というのが、宮崎駿氏の言葉とともに私の恩師の言葉にも重なり、
たぶん先祖代々そうであった農家の血がそうさせているのかもしれません。

©forest chimney

作りすぎる社会、働きすぎる社会。結局、捨てる社会。でも、競争に負けられないから走り続けなくてはいけない…。
いや、本当にそうなのかな…


私は最近、北欧の人たちの幸福とそれを支える考え方を学んで、日本との価値観の違いに驚きました。
日本では「幸せ=自己実現」というマズローの”欲求五段階説”が有名ですが、これって本当に合っているんでしょうか…?
世界でもっとも幸福度が高い北欧の考え方を知ると、なんだか日本で語られている「自己実現」が、ちょっと歪んで広まっているのではないかと思えてきました。日本の「自己実現」って、「社会的成功」に置き換えられてないかな…?それに、安心してほっとできる時間、あたたかくよい人間関係のほうが、幸せに直結しているんじゃないかな…?

ふふふ。おかしいですよね(笑)こんなこと、考えている人、めずらしいのは分かっています。
でも、私はずっと”自然との共生”と”幸せ”について探求しているような気がします。
それでいいんです。
やっと、そう思えてきました(^^)
多分、これからもそうしていくと思います。
そして、僅かながら周囲の人との関係の中でそれを反映していきたいと思っています。


お花畑を現実に落とし込むには

ここまで見てきて、「お花畑だなぁ」と思われるかもしれません。
綺麗ごとばかり並べても、現実は変わりませんよね。
さて、じゃあどうしたら現実を変えていけるのでしょう…。

これについて私はいい答えを見いだせていませんが、
今のところは、ほんの僅かなことでしか、変えていけないと思っているようです。

だから、身の回りから少しだけ変えてみています。

・畑ができる家に住みました(その代わり、駅と高校は遥かかなたです(笑))
・薪ストーブを設置しました(その代わり、お金がかかりました(泣))
・手仕事を教える仕事をしています(その代わり、利益はわずかです(笑))
・足尾に植樹に行ってきました(気休めかもしれません(笑))
・子どもたちには「今日は何が幸せだった?」と聞くようになりました(大体、休み時間と給食です(笑))
・おやつの時間にはキャンドルを灯すようになりました(お気に入り(^^))

並べてみると、何のことはありませんね。素晴らしいわけでもない。
特に、経済優先的考えでいったら、?なことばかりかも。
でも、そうしているのは、全部、未来のために私がしたいから。

アメリカインディアンは七世代先のことを考えて行動せよと言ったそうですね。

日本人だって、少し前までは未来を考えることができたのだから、きっとわずかずつでもそうできると信じたい。祖母や集落の人がそうしていたように、「今全部刈り取るんじゃなくて、未来のために残す」という理性的行動ができるんだと。

価値観を変えるのって、すごく難しいことだと思います。
でも、今もし幸せと感じられないなら、北欧の「羨ましい」価値観に学べることは多いと思います(^^)/
※これについては今後も引き続きシェアしていきますね。


なんだか、最後は「始めたきっかけ」から脱線した気がしますが(;^_^A、そんな感じのことを考えながらやっています。
なんとなく、麦藁手仕事教室を私がはじめた理由のようなもの、ご理解いただけましたか…?(;^_^A

きっと、皆さんにもヒンメリやストロースターを始めたきっかけがあるかと思います。よかったら、私にも今度お聞かせくださいね♪

これからも、どうぞ宜しくお願いします!(^^)


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