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〇〇に良い!という食品を思わず買ってしまう本当の理由

こんにちは、松崎恵理です。

○○が〇〇に良い!という機能性を謳った食品、多いですよね。
少しでも体に良いものを食べたい。だから、〇〇に良い!と言われると同じ食べるなら体に良い方を選びたい、というのが人情というもの。
飲み物に機能性成分が入っていると書かれていると、数十円高くても健康のためにこっちを買っておくか。。(ささやかな健康投資)と思うことも多いはず。

と言いつつ、私はペットボトルの緑茶に関しては、普通のタイプが好きです。だって機能性をうたっているお茶ってだいたいが渋くないですか?
少し前にコンビニで冷たいで緑茶を買おうとしたら、見事にすべて機能性を謳ったものしかありませんでした。渋みはそこそこ、丸い甘みのあるお茶が好きです、なんていう私のわがままは許されない世の中になってきたみたいです(苦笑)。

こうした機能性をうたっているのは、保健機能食品制度が利用されているから。「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」など、特定の健康の維持や増進に役立つ食品の機能や、国の定めた栄養成分について一定の基準を満たす場合にその成分の機能を表示することができる制度です。(保健機能食品には「特定保健用食品(トクホ)」「栄養機能食品」「機能性表示食品」がありますが、この区別はここではひとまずおいておきます。)


栄養学的には、食品には3つ機能があって、一次機能は必要な栄養素を補給する「栄養機能」、二次機能は味や香り、舌触りなどでおいしさを感じる「感覚機能」、三次機能は生体の防御、体内リズムの調節、疾病予防などに関わる「生体調節機能」です。機能性を謳っている食品というのは、「栄養機能」又は「生体調節機能」を持った成分が入っていることになります。

あれ?と思われた方、いますよね?

そう!栄養機能と生体調節機能って区別されているんです。
この2つの機能は、食品が持つ機能です。つまり、食品である以上、ほとんどの場合、両方の機能を持っているはずです。
パッケージに機能性を謳っているものは、消費者庁への届け出や許可を受けているということであって、機能性について記載がない食品にも栄養機能や生体調節機能はあるわけです。また、パッケージに記載されている機能性が一つだからと言って栄養学的な意味での機能性がひとつしかない、というわけでもありません。

なんでこんなことになっているのでしょうか。
食品を売っている事業者が申請や届け出の時間と費用をかけてわざわざ機能性を表示するのは、その方が分かりやすくて、購入してもらいやすいから、ということだと言えるでしょう。

しかし、一番の原因は、購入する人たちの多くが、何をどう食べれば健康に行き着くのかが分からない、ということなのではないでしょうか。

つまり、どんな食べ方をすればよいのか、自分の食べ方は健康によい食べ方なのかが分からない。でもみんな少しでも体に良いものを食べて健康になりたい。だからとりあえず、〇〇によい、という食品を摂っておこうという行動になるのだと思うのです。

○○に良い!と言うことは、食品の大切な役割の一面しか強調されていないことになります。だって、どんなに身体によい成分が入っていますと言われても、美味しくなかったら嫌ですよね?

元々、こうした制度は、多様化する食生活において食品の特性を理解して正しい選択ができるための情報提供を目的につくられた制度です。にもかかわらず、情報提供されている食品ばかり栄養成分や機能性があるように見えてしまうのは残念なことです。


一つの食品には、さまざまな栄養素が含まれ、食品の機能性もひとつではありません。季節のものを選びながら、いろんな食品を美味しく食べて楽しむことが一番大切だと思うのです。

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