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田舎暮らしで一変した、野菜の手に入れ方

安定した生活を捨て、東京から千葉県外房に位置するいすみ市へ引っ越しておよそ半年。田舎暮らしでの再発見とは・・・

「野菜=スーパーで買うもの」
12年暮らした東京では、それが当たり前だった。都会のスーパーでは、大して季節を感じることもなく、個性のないキレイな野菜たちが並んでいた。

私にとっていくつかある「田舎暮らしって最高〜」のひとつが、都会では見たことのなかったような新鮮かつ安全な野菜が安く手に入ることだ。

まずは直売所で

家から車で5分圏内に、2つの直売所がある。
いずれも地元の農家さんの野菜や果物、お餅や味噌などの加工品などを販売していて、毎朝生産者さんが納品に来るスタイルだ。

トマトひとつとっても、それぞれの商品に産地・生産者名が明記され、値段はそれぞれ生産者が決めているようだ。そこに生産者さんのコメントまで寄せられていることもあるから、親みが湧く。

地産地消は輸送に余計なコストがかからず、運搬中に発生するCO2も削減できる。消費者にとっても安価で新鮮な作物が手に入れることができて、まさに三方よし。

今は、新生姜に落花生、いちじくの季節。生の落花生なんて初めて見た。
調理の仕方は検索すればすぐわかる時代だが、あえてお店の人に聞くのが好き。

生の落花生は、30〜40分塩茹でに。炒ったピーナッツと違い口の中でしっとりホクホク。これも悪くない。

新生姜は一般的な生姜よりもシロップ作りに向いていると教えてもらってすぐやってみた。甘いジンジャーエールより、スパイスの効いた辛口が好き。そんな微調整も手作りだからこそ可能だ。またお寿司の付け合わせであるガリも、家で作れば余計な添加物もなく、なにより簡単で美味しい。

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知り合いの農家さんの畑で

移住後、偶然知り合うことができた2軒の農家さん。我が家にとって、直売所以上に貴重な存在だ。

1軒目の農家さんは無農薬・無化成肥料・無動物性肥料にこだわった自然栽培を実践している。そんな貴重な野菜を分けてもらえること自体、本当にありがたい。

畑に伺ってその場で買えるものを購入させてもらう。他愛もない話をしながら、少し収穫を手伝ったりして分けてもらう丹精込められた野菜は格別だ。

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都会で目にしたのは、いつも色も形も統一されたキレイな野菜。その一方、畑の野菜には個性がある。当然サイズも違い、成長しすぎたり小さすぎるもの、また中には少し傷のあるものもある。味は全く遜色ないのに、売り物にならない野菜たちを分けていただくこともしばしばだ。

都会のスーパーにきちんと並ぶ野菜の裏に、誰にも食べられることなく廃棄される野菜がどれほどあるのか、想像してみると恐ろしい。

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2軒目の農家さんも自然栽培による野菜作りを実践し、個人の素敵なお庭で週に1度開かれるマルシェ(!このマルシェについてもいつか書きたい)で野菜のシェアをしてくださる。Facebookのグループ内で「今週野菜いる人は挙手」するスタイルだ。

マルシェ当日の朝に、季節のお野菜5〜6種類を購入する人数の分だけ収穫して持ってきてくれる。値段は1セット1000円で、野菜の種類は大まかにはシェアされているが一部は当日のお楽しみ。予約制だから余剰が出ず無駄がない。

畑から直送、ならぬ直販売でプラスチックの包装がないのも魅力的。地元の人ばかりなので、各々バケツやら大きなカゴに入れて持ち帰る。なんたってすごい量なのだから。(残念ながら写真はない・・・)

このように作り手の顔を見ながら購入する野菜は、当然ながらスーパーのものとは比べ物にならない。というか、移住してから、スーパーで野菜や果物を買わなくなった。買うのはせいぜいバナナくらい。(子供がバナナ卒業したらもう買わない、バナナブレッドを焼きたい時を除いては)

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一方で生産者の顔が見えるからこそ気がかりなのが気候変動。
豪雨や台風が来るたびに◯◯さんの畑は大丈夫かな、と心配になる。
一般的な生活をしていても感じる猛暑や大雨の頻度の増加。自然相手の農家さんはより深刻な変化に直面しているはずだ。

オーガニックと一括りにするが・・・

ちなみにこちらに来て知ったのだ、有機栽培と自然栽培は違う。

私の浅い理解では、有機栽培には一定の基準があり、農家さんはその基準を遵守しているかの承認を得ることでいわゆる有機マークをつけられる。
ちなみに有機=無農薬ではない。

一方、自然栽培は農薬、化成肥料を使わず、土の中の微生物の力を最大限に活かした農法(私の拙い説明で本当に申し訳ない。でも知ったかぶりして書けないので!このお味噌屋さんの説明が参考になります!)。

有機がいいとか、無農薬がいい、農薬や化成肥料を使用する慣行農業が良くない、ということではなくて、私は偶然にも自然栽培を実践する農家さんと知り合うことができた。

私もたった2、3年前までは農薬に対して何の警戒もしておらず、しかも近所のスーパーには慣行か、有機かという選択肢もなかった。

しかし農薬が人体、そして自然環境に与える影響を部分的にでも知った今、顔のわかる農家さんが作ってくれた無農薬の野菜だからこそ安心して口にでき、さらに環境への負荷も少ない方法で生産されていると知れば、その野菜を選ばない理由がない。

さいごに家庭菜園

正直言って広すぎる庭がある。家庭菜園でもしないと草は生えるばかり。
春の終わり頃、一通りの夏野菜の苗・タネを植えてみた。どれもそれなりに成長し、収穫できたが、特に成功したのがミニトマトとオクラ。

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子供達は庭で遊ぶついでにトマトを口に入れる。
次々成長するオクラも天ぷらやカレー炒めにして食卓の主役に。

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9月も後半となって、サツマイモも育ってきた。ちょうど今は冬野菜の準備の時期でもあり、芽キャべツやカリフラワー、ビーツなどを植えてみた。成長が楽しみだ。

食料自給率を8割を目指したいナ

カロリーベースの食料自給率は38%(農林水産省)と極端に低い日本。

いすみは米の産地でもあり、数年前から市内の学校給食では100%地元産の無農薬米が出されている。我が家もいすみ産のお米を食べているし、野菜も9割以上地元産。”食料いすみ率”は優に5割を超えるだろう。

国産ではないものといえば、ビール、パスタ、近所のスーパーでたまに買うビオワイン(ドイツ産・フランス産が多いような)、食パンなどは外国産の原料に頼っているはずだ。

ということで、ざっと我が家の”食料国産自給率”は7割くらいか。これをそのうち8割にまで上げられたら。

いずれにせよ、野菜の買い方ひとつとっても、もう都会には住めないと思う。

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