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読書note

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読んだ本の感想など,もろもろのこと。
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記事一覧

CREA vol.376 「母の娘だった私が、母になるとき。母って何?」

先日syuさん、COTAさんと話をしたときに、syuさんが「読みました?」と言って教えてくれた雑誌…

エリンギ
10か月前
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立野正裕 日本文学の扉をひらく 第三の扉:戦争とたたかった人たちの物語

※Amazonのカスタマーレビュー欄に投稿した文章の再掲 「日本文学の扉をひらく」シリーズ第三…

エリンギ
11か月前
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目取真俊 魂魄の道

今年2月に影書房から発売された目取真俊の短編集『魂魄の道』を読んだ。 わたしが目取真俊を…

エリンギ
1年前
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最相葉月・増﨑英明 胎児のはなし

友人の家にあそびにいったとき、引っ越しをするから興味のある本があったら引き取ってほしいと…

エリンギ
1年前
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帚木蓬生 ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力

ネガティブ・ケイパビリティ(negative capability)とは端的にどうにも答えの出ない、どうに…

エリンギ
1年前
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川上未映子 春のこわいもの

春が好きだ。「春のこわいもの」と言われたら一体何かなと思う。3月14日に行われたオンライン…

エリンギ
2年前
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大西美智子 大西巨人と六十五年

2014年3月12日、97歳でこの世を去った作家・大西巨人。その妻美智子さんが書いた本書を最近読んだ。というのも、現在わたしが主催者の一員としてたずさわっている連続講演会の最終回にてテーマとなるのが大西巨人だからだ。チラシの裏面には本書からの引用もある。 大学在学中テキストとして『世界文学の扉をひらく 第一の扉』や『精神のたたかい』を繰り返し読んでいた。いずれにも立野正裕先生と大西巨人さんの対談が収録されている。『神聖喜劇』の重要なエピソードや登場人物たちについてや大西さん

立野正裕 紀行 辺境の旅人

立野先生の著書再読シリーズ第8弾です。 * * * 本書のタイトルは「辺境の旅人」である。ここ…

エリンギ
2年前
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立野正裕 紀行 星の時間を旅して

立野先生の著書再読シリーズ第7弾。紀行シリーズ2作目の「星の時間を旅して」(2015年)は、著…

エリンギ
2年前
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立野正裕 紀行 失われたものの伝説

しばらく間が空いてしまいましたが、立野先生の著書再読シリーズ第6弾。今回は彩流社から刊行…

エリンギ
2年前
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田村俊子 木乃伊の口紅

「みのる」と「義男」夫婦の話。作家の夫には安定した仕事がなく、妻も芸術を志す身ではあるが…

エリンギ
2年前
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川端康成 伊豆の踊子

川端康成の「禽獣」にいろいろな意味で衝撃を受けたわたしは、その後未読だった「伊豆の踊子」…

エリンギ
3年前
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橘忠衛エッセイ集「火崑岡に炎ゆれば」③

さてさて、今回でこのエッセイ集については最後にします。最後に一つ、外国語についての話がと…

エリンギ
3年前
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橘忠衛エッセイ集「火崑岡に炎ゆれば」②

さて昨日の続きです。 今日は4月1日、わたしが勤める会社にも新入社員の人たちが入ってきた。わたしは、新人にかけたい言葉はあんまり思い当たらないが、(文学部に入った)新大学1年生に伝えたいことならある。 それは色々な人がすでに言っていることだ。橘忠衛先生も「松の鉄材ー読書のすすめー」で言っている。 まずアルバイトは、それをやらないと学校へ行けない場合をのぞいて、やらないこと。 理由として、「読みたい本の読める時間は学校を出ると急速に縮小する。しかも読書は習慣的な訓練がな