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入り浸れる美術館 京都マンガミュージアムで1日使う

京都マンガミュージアムに行ってきました。
元々ダンジョン飯の展示を見るだけのつもりだったんだけど、施設のことを調べたら1日時間をとったほうがいいな……となった。10時の開館から行った。


暑さ対策

京都に行く上で大事なのが気候への対策である 。まあ、大阪と気温自体はそんはに変わらないけど、「思ったより暑いし、思ったより寒い」が京都だ。
特に夏は過酷だ。背の高い建物がない関係で、日の高い時間は日陰を歩くことができない。道行く人々に厳しい日差しが差しかかる。日傘や帽子など、日除けグッズは必ず持ち歩きたい。
ぴったりした衣服は汗をかくと貼り付いて不快なので、ゆとりのある衣服がおすすめである。ただマキシ丈のスカートはすそを踏むので、くるぶし丈ぐらいが良い。ワイドパンツもすそを踏まない丈を選ぶと楽である。
スポーツサンダルに靴下を合わせると、涼しい上に長距離の歩行が可能になる。夏場のお出かけにはおすすめの靴である。

JRに乗ろう

あれこれ乗って大阪駅まで来てJR京都線に乗った。京阪経由でも行けるけど、慣れた路線で行こう。私は自分を信用していないタイプである。
そして毎回のお約束として、梅田の地下で出口がわからなくなる。また工事してんな!? JRの出口はもっと主張を激しく案内を出してほしい。
京都線は混んでいるというほどではないが、座ることができなかった。座って体力を温存したかったけどなあ。こればかりは自由席なので仕方ない。
京都駅で降りて地下鉄で烏丸御池へ。人間が多い。

京都マンガミュージアムについた

庭は芝生をしいてあり、芝生で過ごすための日除けテントの貸し出しがあった。100円。
さすがに暑すぎるせいか借りている人はいなかった。貸しテントの相場を知らないけど安くない?
何か、思ってたのと違うミュージアムだ

ダンジョン飯展

目当てのダンジョン飯展示に来た。入り組んだところにあるから一瞬どこにあるのかわからなかった。
常設展と同じ値段で入れるのすごいよな。


階段の踊り場部分に食品サンプルが展示されている。

ラフの線が綺麗すぎる

ラフの線がきれいでびっくりする! ある程度整えられていると思うけど、それにしてもきれい。す
同じ時間帯に見てた人も「ラフがきれい」と言っていた
没になったカラーラフもみんなきれいなんだよな、これが。画力の高さを感じる。
著者はアナログとデジタルを併用するスタイルなので、原画はあったりなかったりである。デジタル絵はラフスケッチと共に展示されている。
デジタル絵はどうあがいてもデジタル絵なので、原画を展示するわけにはいかない。すると作業過程を提示するのがちょうどいい展示方法なのだろう。

執念とドライさが共存する

九井先生のインタビュー見るたびに思うけど、九井先生はめちゃくちゃドライだよな~。
執念がないと漫画は描けない。だって創作活動って根本的にはコスパ悪いもん。何10万部単位で売れるようなものでないと儲からないよね。
しかし執着は人間の心を曇らせる。キャラクターや作品を溺愛してしまう。だからこそ、自分と違う価値観の人間を描くことは難しい
九井先生は自分と価値観の違うキャラクターを描くのがとてもうまいんだ。
執念とドライさのバランスが恐ろしい。

物販でグッズ買ったよ

グッズを買っておいた。ミニキャラのアクスタ全種。
缶バッチほしいから1個ランダムで引いたらセンシだった。
購入特典ももらった。マルシルだった。自分で鑑賞するか誰かにあげるか。その場で誰かにあげちゃえばいいのかもしれないけど、いきなり話しかけるの恥ずかしくて……。どうすればいいんだろうね。

常設展も面白かった

漫画家の手の石膏で左利きを知る

漫画家の手から石膏像を作った展示がある。
手の形から何かがわかる……ということはないんだけど、左利きなのがわかるのがすごい。
例えば、『暗殺教室』の松井優征先生はは左利きみたいだね。
ジャンルもコミックエッセイや女性向け漫画など、極端にジャンルが偏らないよう気にしている感じがした。
そしてここにある漫画家にも知らない人がいる。私にもたくさん読んだことのない漫画があるのだなあと壮大な気分になった。
棚も使用感のあるアンティークっぽいもので、雰囲気がある。
まだまだスペースはあるし、最近有名になった漫画家の石膏像もある。
君も有名漫画家になってマンガミュージアムに手の石膏像を飾ってもらおう!

海賊版が展示されている

常設展に海賊版を集めたコーナーがある。海賊版を展示するせきららさに笑った。
しかも「海賊版をきっかけに漫画文化が世界に広まった」という趣旨だし。もっと雑なものかと思ってたら本として意外と作りはちゃんとしてるし。
でも一昔前のオタクカルチャーって、無断転載で広がるものだったよね。ニコニコ動画も元々はそうだったし。
徐々に日本人の著作権意識が上がったんだろう。
でもその辺の事情は書き手側に何にも関係ないし、海賊版作られて怒るのは当たり前だと思うけど。
私が漫画家でも怒るからな。

漫画家のお金事情

お金事情が書かれているのがすごかった。
お金をワインに例える
ワインを分配する
一級品の漫画を描かないかぎり、割に合わない仕事だよね
だからこそ海賊版の問題も重要になってくる
いくら世界に自分の作品が広まろうとも、利益にならないのであれば作家にとっては意味がない
アシスタントを雇う
個人事業主としての能力も求められる
編集部が中抜きしているようにも見えるが、印刷物もタダでは作れないので必要なお金ではあるのよな。
電子化で変わってくるかもしれない。

紙芝居

紙芝居を見よう

1日いることを最初から決めていたので、ワークショップや内部のイベントはなるべく参加したかった。まずは紙芝居を見てみた。
マンガミュージアム内では「えむえむ紙芝居」という1日に2回紙芝居が上演される。時間は11時半と14時だ。
公演はヤッサン一座という団体が行っている。ヤッサンというのは紙芝居師たちの師匠で、現在は故人のようだ。ヤッサンの紙芝居免許のコピーが飾られていた。昔は紙芝居は免許制だったんだってさ。
時間が近づいたら上演のための部屋に来た。部屋そのものもそれっぽく内装が作られており、昔のポストや小学校のいすが置いてある。雰囲気から作り込む姿勢であるおおs
ぎりぎりまでまったく人が来なかったので自分一人だったらどうしようかと思った。

子ども向けだけど話術がすごい

複雑な英語は話せないのだが、海外の客だろうと日本人客だろうと話に巻き込んでいくガッツがすさまじかった。
海外の客に「これはあなたの国の言葉で何と言うのか?」と聞いて紙芝居に参加してもらったり、サイレントでもわかる紙芝居を持ってきて遊んだり、工夫がすごかった。
しかし関西人の子どもはノリがよすぎて他人の出番を食おうとするからだめだな。ノリがいいのが美徳だと思ってるからな……。

面白かったけど誰も水飴を買っていかなかった

紙芝居屋なので最後に水飴を売ってくれるのだが、私を含め誰も水飴を買って行かなかったので申し訳なかった。
ごめん、私は水飴苦手で……。海外の人にとってもよくわからない食べ物だろうしなあ。
むしろ紙芝居の前に吊るされているステッカーがほしかったのだが、あれは飾りなのだろうか。スプラトゥーンや呪術廻戦のステッカーが吊るされているところに時代を感じる。

旧小学校としてのマンガミュージアム

小学校の面影

京都マンガミュージアムは小学校を改装してある。
卒業記念の似顔絵のレリーフが飾られたままだ。
校長室もそのまま保存されてあり、見学することができる。
ミュージアムの一室を小学校時代を紹介する内容にして、当時が偲べるようになっている。その部屋には小学生たちの記念写真や教科書が置いてあった。その教科書は実際に手に取って読むことができる。
どことは言わないけど、改装したはいいものの、その建物の過去の歴史をうやむやにするような
古いものを新しく作り替えることはどんどんやってほしい。だが、古いものをどうやって継承していくかもまた、現代の人間が考えるべきことなのだ。

レトロだけど俗っぽさもある

レトロな外観でおしゃれなわけだけど、同時に俗っぽくノリのいい空間である。館長、荒俣宏のパネルなんかどう考えても悪ふざけみたいだし……。ふと見上げると天井に漫画関連のポスターがずらっと貼られている。びっくりした。
しかし、漫画は民衆の文化で、そこから海外に認められるような作品が生まれた。それを考えると、俗っぽさもありだなあと思う。
むしろ、それらしいケースを並べて展示すると、漫画を無理に高尚な世界に閉じ込めるだけだったかもしれない。
裾野の広さを感じさせるデザインだった。

観光客にも地域にも愛されるミュージアムへ

京都マンガミュージアムは地域の人も利用できることを重視しており、庭部分でイベントができるようになっている。
夏休み時期だったので、子どもを連れて漫画を読んでいる家族連れが多かった。おとなしく漫画を読んでいる限りは人に迷惑かけないし、屋内なので迷子になる心配も薄いし、助かるだろうな。
年間パスポートは大人6000円。まんが喫茶に行くことを思えば破格の値段である。

今日のおやつ

おやつは、京都のローカルチェーン、志津屋のパンを食べました。
おすすめって書いてあったから。カルネというのを食べた。柔らか目のフランスパンにハムと玉ねぎとマーガリンが挟まっている。
見た目地味だしどうだろうなーと思って食べたらちゃんとおいしかった。とりたてて凝っているパンではないけど、ハム、玉ねぎ、マーガリンとパンのバランスがよい。シンプルなパンでもやりようによっては味が違うのだなあ。

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