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北風と太陽


前回投稿では、内側の自分と繋がるためには、自己対話が必要だということを書きました。

今日は、もう少しそれについても掘り下げていきたいと思います。

自分以外を変えることはできない。

最近になって、ようやくそのことについて理解が深まってきたなという感じがします。

頭ではわかっていても、実際外に出た瞬間、思い通りにならないことを、変えようと躍起になってしまうことはよくあります。

家族や友人などの距離が近い人だけならともかく、すれ違うだけの人や、店員さんなどに向けても、自分の思いを通そうとすることはあるかもしれません。

今問題になっている多くのハラスメントも、基本的には、自分ではなく相手を変えようとした結果そうなっているのではないでしょうか。

最近はそのような傾向が強い人が多いのかもしれません。

何事もバランスが大事ですが、思いのベクトルが外側にしか向いていなければ、皮肉なことに、その外側を変えることは出来ないのです。

なぜなら、外側を変えられるのは、内側の変化でしかありえないからです。
しかし、ほとんどの人はそうは思いません。

ですから、内側に視線を向けることなく、外側を変えようとしていることが多く、変わらない現実に腹を立てたり、思うように動いてくれない人に言うことを聞かせようと躍起になっています。

よくよく考えてみても、周囲の人を変えるのは大変難しく、むしろ自分を変える方が本当に簡単で早いのに、なぜかそちらには目が向かない。

それはなぜでしょうか。

その理由の一つには、目に見えるものしか見ようとしていないからではないでしょうか。

見えるものを全く無視する必要はありませんが、出来ればその両方を見渡す目を持っていることで、変えられるものと変えられないものの識別できるようになります。

識別と言ってもそんな大げさなものではなく、変えられるものにだけ意識を向ければいいということに気が付くようになります。

変えられないものを変えようとするとき、それはしなくても良いところに大きなエネルギーを与えていることになりますから、とても疲れてしまいます。

その結果、人生が上手くいかないことに絶望したり、この世の中は不公平で、不条理だと考えたり、生き辛さを感じることもあるかもしれません。

人生が不条理なのではなく、変えられないものにエネルギーを注いでしまっていただけなので、エネルギーを注ぐ方向を変えればいいだけなのです。

例えて言うと、Aに注いでいた美味しいジュースを、Bのコップに注ぐようにしたらいいだけなのです。

今までは、いつもAのコップにだけジュースを注いでいました。
そして、注ぎながらあなたはこう思います。

『こんなに頑張っているのに、なぜBのコップにはジュースが入らないのか!』

そういって、Bのコップにジュースが入らない人生に絶望しています。
それが、今の外側だけを変えようとしている状態です。

ですから、これからはAのコップにジュースを注ぐのをやめて、Bのコップに入れればいい。

ただそれだけなのです。

前回投稿でも書きましたが、自己対話は難しいことではありません。
むしろ、気持ちが全く分からない人とコミュニケーションをとる方がよっぽど難しいです。

ただ、多くの人が、それよりも相手を優先させてしまったり、素直な気持ちを出せていなかったり、そんなことを考えるべきではないと抑圧させてしまっていることもあるでしょう。

もしくは、今まで内側の気持ちを大切にしてこなかったり、外側にベクトルを向けるような環境に長く居たかもしれません。

または、外側を変えようとした結果、本当は変えられないにもかかわらず、思い通りになった経験があれば、そのようなやり方を通そうとするでしょう。

しかし、思い通りになったのは、周りが気遣ってくれたり、有無を言わさずそのやり方を押し通したり、そういうものだと相手に思い込ませている場合もあります。

縦社会にはよくある話です。
ただそれは、良い方向には進まず、次第に孤立していく可能性もありますよね。

北風と太陽というお話を、誰もが一度は聞いたことがあるでしょう。
北風は相手を変えようとした結果で、太陽は自分を変えた結果だと思います。

あのお話を読んで、誰も北風になりたいとは思わないでしょう。
しかし、日常生活の中で、実は北風になっているのではないか、ということも時々考えてみたほうがいいと思うのです。

太陽になるためには、自分の事を知らないとできません。
何を考え、思い、私には何ができるのかを、ひたすら自己対話の中で見つけていくと、実は太陽のような明るさや暖かさを兼ねそろえた存在だと気付くのです。

いかがでしょうか。

今日もお読みいただきありがとうございます!

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