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ピアノ連弾作品を作曲しよう!①


●演奏会に向けて

友達とピアノデュオを組んでいる生徒さん。今年の秋の演奏会に向けて、自作自演の連弾曲を演奏したくなりました。
既存の作品はたくさんありますが、自分達だけのオリジナルの音楽を演奏したいなぁ…と思ったわけです。

生徒「うーん、でも何から始めよう。」

でも、作曲は何から始めたら良いのでしょうか。
先生に相談してみましょう。「センセー。」

先生「はーい。」

ピアノ連弾の曲を書きたいのですが、何から始めれば良いですか?
先生「作曲は、まず動機(モチーフ)つまりテーマとなるメロディから考えましょう。」

…なるほど!でも先生、メロディってどうやって考えるんですか?

先生「鼻歌を歌って。“こんな感じ、素敵だな”というのを書き留めるんですよ。」

●モチーフは鼻歌から…

え!鼻歌ですか!では考えてみます♪ ふんふーん♪
〜数日後〜
先生できました!ふんふーん♪

動機(鼻歌)

音源はコチラ↓
(スマホの方はListen in browserをタップしてお聴きください。)

先生「むむ!なかなか良い鼻歌…ではなくて動機ですね。」
はい、メヌエット風のメロディです♪

●メロディに和音の設定をしよう!

先生「この旋律に和声付けをすると、どうなるのでしょうか。」

和声付けですか!難しそう…

先生「シンプルな和声を設定することがコツです。」

シンプルで良いんですか。この旋律にあう和音をつけるとすると…こんな感じかなぁ。

動機の和声はこんな感じ

音源はコチラ↓

まず、旋律に、アウフタクト(丸で囲った)を付けました。アウフタクトは旋律の出だしの息遣いを整えてくれる感じがします。動機の和声はこんな感じでしょうか。とっても単純な和声の骨組みです。

このあとはどうすれば良いんですか?

先生「それでは、この動機“A”をもとに同じ長さの“B”を考えます。旋律はドミナントに向かっていることを意識しましょう。」

「どみなんと?」

●カデンツの流れを考えよう!

《POINT!》ドミナントとは…主音から完全5度上の音を根音とする和音です。主和音(トニック)に進行しようとする方向性を持っています。

生徒「旋律は和音と、和音の進行と表裏一体なのですね。」
旋律と和声の流れはこんな感じ

音源はコチラ↓

先生「トニック(主和音)からドミナント(属和音)へ、自然な流れになっていますね。カデンツの自然な流れになっていることがわかりますでしょうか。」

「…かでんつ?」

《POINT!》カデンツとは…主和音「トニック」が各種の和音を経て、再び主和音に戻る音楽の配語法のことです♪ 音楽の世界の文法みたいなものですね。

さて。ABを合わせて、一つのメロディが完成です!

先生「旋律の積み重ねで音楽になっていくのです。」

先生「イメージしやすいように、和音を少しだけ伴奏風にしてみます。」

非和声音で飾りも付けつつ…

音源はコチラです↓

おおー。グッと音楽作品に聴こえてきました!

先生「次回は、伴奏について掘り下げていこうと思います。」
楽しみ!

→次回もお楽しみに…

●最後に

私たちeqhor music labo Tokyoでは、今後も、珍しい切り口から音楽理論に関する記事、作品の配信と通して、音楽の魅力を発信していきます。
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○生徒:平田真里奈
《プロフィール》上野学園高等学校音楽科演奏家コースを経て上野学園大学演奏家コースに特待生として入学。現在4年次に在籍。合唱、器楽、声楽の伴奏及びソロのほか2022年「Pianoduoまなつ」を結成し演奏活動を行なっている。
第11回東京ピアノコンクール高校部門 審査員特別賞、第82回東京国際芸術協会新人演奏会オーディション、コンセール・ヴィヴァン新人オーディション(室内楽部門)合格、第25回万里の長城杯国際音楽コンクール優秀伴奏者受賞。
ソルフェージュと作曲を武澤陽介、室内楽を荒井伸一、声楽伴奏法を吉田伸昭、ピアノを佐古田彩子、安田正昭、星子知美の各氏に師事。

○Pianoduoまなつ
石川千夏 & 平田真里奈 (Piano)
出会いは幼稚園時代。音楽を通して繋がり、2022年第6回きらり鎌ヶ谷アーティスト発掘プロジェクトへの参加を機に「Pianoduoまなつ」を結成。



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