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ヤモト=サンを撮る

前回の記事(ヤモトちゃんがfigmaになった!|R-9|note)を踏まえて、空いた時間にちょこちょこ撮ってみたものが集まったので記事にまとめます。

カメラはPENTAX K-r。レンズはSIGMAの28-80mm F3.5-5.6というもので、このレンズ自体はとっても安い普及版レンズ(しかも家族のお下がり)なのですが、おもしろいのが80mm固定でマクロ撮影もできること。かなり寄れる。最近は100均に行くとスマートフォン用のマクロレンズも売ってたりしますね。

K-rのカスタムイメージ(画像仕上)設定は「銀残し」で撮っています。わたしも全然詳しくないのでアレですが、銀残し(ブリーチバイパス)には彩度を下げてコントラストを上げる効果があり、普通に撮るとどうしてもフィギュアっぽくなってしまうところを、映画的な画面にしてくれます。フィギュアがフィギュアとして映るのはカメラとして当然の動作なわけで、そこをうまくごまかしてくれる感じ。同様の設定ができるカメラは、スマートフォンアプリなどでもあると思います。

普通のレンズで普通の設定で撮るとこう
光源は窓からの自然光のみ。カワイイなフィギュアですね

同じレンズで「銀残し」にするとこう
どことなくフィルム的な落ち着いた印象で色味も偏る

80mmマクロに換えてアングルを変えるとこう
あれ…フィギュア…?

さらに光源に対する位置や目線を工夫すると実在感が増す

というわけで今回の撮影のテーマは、いかにフィギュアっぽくなく、原寸のヤモト=サン(もしくは女子高生概念の象徴としてのヤモト)として見せるかというものにしました。そのためのキーワードは、

マクロで撮る
銀残しで撮る

の2点。原則として撮影後の写真にソフトウェア的に大胆な加工やエフェクトは行うことはせず、Photoshopでレベル補正・カラーバランスの微調整のみ行っています。そのほか、誰にでもできるちょっとしたテクニックを組み合わせていて、それに関してもまとめました。

以下に作例を貼っていきますが、基本的にある種のフェティシズムを含むというか、平たく言うとNSFWな感じの写真が多いので気をつけてください。
わたしのfigmaの遊びかたはたぶん間違っている…。

■ ■ ■

曲線と陰影

スポットライトで強い光を当てて露出を低めに補正して撮ると陰影がはっきり出る。figmaヤモト=サンの造形は本当に良くできていて、ぱっと見では分からないような内腿の曲面や膝裏の靭帯の表現が、光の当たる方向によって浮き上がって見える。

しかも、フィギュア的にどういう素材や塗装の技術なのかわからないけれど、表面がプラスチック特有の光沢感とはちょっと違って、肌の明るい部分、めちゃめちゃ寄ると肌っぽいザラザラしたテクスチャが映る。逆に肉眼では判らないレベルで、カメラを使ってみて初めて気づいた。

ポーズの作りかたは、重心がどこにあるかを考えながら(よく言われることだけど)ひねりの効いた「S字」の曲線になるようにするとキレイなポーズになる。腰の回転の角度をちょっと変えるだけで、急に不自然さが解消したりするから難しい…。絵を描くときにも大事だなあみたいなことを改めて思った。

figmaヤモト=サンは関節の曲がりかたにけっこうクセがある。腰がほとんど曲がらないので前屈姿勢はできないし(服が柔らかめの素材だから無理に曲げようと思えばいけるけどコワイ)、足の可動範囲にも限界がある。一番困るのが首で、髪とセーラー服の襟がぶつかってあまり上下に動かすことができないうえ、マフラーメンポを装着するとほとんどアゴが動かなくなる。

ただ、制約があるのは悪いことばかりではなくて、できる範囲で工夫する楽しさみたいなのは確かにある。腿が90度まで上がらないので座らせるのはけっこう大変だけど、撮りかたで座っているように見せられないこともない。

膝のカーブが生々しすぎるがfigmaです

figmaを撮るとき、悩ましいのが特徴的な球体関節だ。このおかげでいろんなポーズをとらせることができるんだけど、画面に映り込むと一気に"フィギュアっぽく"なってしまう。ニンジャスレイヤーの文脈で言えば、オイランドロイドであれば敢えてそこを重点するのもいいけれど、ヤモト=サンだからなあ…みたいな。

これはこれでヤバイ

鏡面反射

たまたま近くにあった古い卓上時計の側面が鏡面状になっていたので、鏡として使ってみたら予想外の効果が出た。この鏡の部分がすごく錆びて汚れているんだけど、ピントを合わせるとさほど気にならないし、逆にテクスチャを重ねるかフィルターをかけたみたいになる。独特の空気感がある。

彩度やコントラストがさらに一段階落ちる感じ

光を絞る

光源の前に物を置いたりして、明るいところ以外の情報量を極端に減らす。太陽光だったらカーテンやブラインドを少しだけ開けるとか、スポットライトだったら間に箱を置くとか。そのとき、光源の近くに置けば影を柔らかくできるし、フィギュアの近くに置けば影の輪郭がシャープになる。輪郭のある影が落ちていると、立体感が強調される。

障害物を置く

球体関節部分や、比較的アニメ的なデフォルメの大きい手や顔が映り込まないように、敢えて前景に障害物を配置してみる。これも全体的な情報量を減らすことで、模型であることをごまかす効果がある…気がする。絞りは今回ほとんどF9~10固定で何も考えずに撮っていたけど、これだとボケが強すぎたかもしれない。

CDなどのプラスチックケースを立てているだけ
背景の模型がなくても工夫で乗り切る

■ ■ ■

そんな感じで、フィギュア撮影に凝ると沼ですねこれはと思いました。あからさまに青少年のなんかに良くないモチーフばかり撮ってしまって、今回はヤモトちゃんにゴメンナサイしないといけない。次はちゃんとニンジャスレイヤー=サンとBUNDODOしてカラテする写真とかも撮る…。たぶん…。

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