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自転車を買って10年が経った

2013年に初めてクロスバイクを買ってから、この春でちょうど10年が経った。当時からもともと自転車好きの友人や同僚から薦められてはいて、運動不足の解消にもなるかもだし、新しい趣味のひとつとして始めてみようかな、くらいのノリでした。

それが沼の始まりで…というわけでもなく、この10年間、今に至るまでさほど自転車趣味にどハマリすることもなかった。乗りたいときだけ近所をちょっと乗る、たまに手入れもするしパーツ買ったりもする、でも乗らないときは何ヶ月も乗らない、みたいな超ライトな付き合いかた。適切な距離感! そんなわたしが、実際初めて買った愛車を10年乗り続けてどうだったかというのを書いておこうと思います。

ちょうど良かったESCAPE

購入を検討していたころの記事にも書いているんだけど、ロードバイクとかMTBとか、いわゆるママチャリでない自転車を買うにあたって、その中間にあるというクロスバイクとは何ぞやみたいなところから始まり、自分の用途にどんな自転車が合うかをまず調べました。台湾の大手メーカーGIANT(ジャイアント)は、自宅から自走していけるところに直営店があって長期のサポートも見込めそうなことから、ここの有名なESCAPEシリーズがいいかなということに。お気に入りのフレーム色があったESCAPE AIRの2013年モデルに決めました。

画像出典:GIANT公式ページ

ESCAPE、自分にはちょうど良かったです。軽くてシンプルだし、初心者が自転車の構造を知って仲良くなるのに最適だった。街中でもよく見かけるけど、いろいろカスタムしたら初期の画一的な印象はだいぶ変わって、自分だけの一台という愛着が沸くようになりました。

初期状態で白だったサドルとハンドルはすぐに黒に変えて、今はバーエンドバー付グリップにはジャイアント純正のものを付けています。このバーエンドバーは手首への負担が大きく減るから、ドロップハンドルでないカジュアルなクロスバイクにはすごく良かった。

タイヤの太さは初期の28Cから変えて最終的に32Cに落ち着きました。この間23Cの細いタイヤで5年くらい走っていたんだけど、やっぱり街乗りでは太いタイヤの乗り心地の良さとスニーカーのような気軽さが合っていた気がします。2度ほどパンクしたのかな。思っていたよりも全然少なかった。うち1回は買って1ヶ月のときに砂利道で見事に古釘を踏み抜いたわけだけど、そんなことは10年でそれきりでした。

クロスバイクの耐久年数ってどれくらいなのかなと調べると、おおむね10年くらいと書かれていることがよくある。実際、うちのも多少のガタは来ている感じはあるんだけど、2年前にジャイアントストアでメンテナンスをしてもらったときはまだ全然行けそうという話でした。そろそろまた見てもらわないといけないな。

屋外にカバーをかけて保管していて、普段の手入れは空気入れくらい。気が向いたときにチェーンオイルとギアの可動部に潤滑油を注すのと、使い捨てのクロスで磨いてやる感じで、ほかのパーツのことはいまだに詳しくないです。辛うじてタイヤとチューブの交換ができる程度。輪行もしないし。

これがまた高い自転車だったら違ったのかもしれないけど、ゲームのクラフトや素材集めすら苦手な自分の性格的に、まめにメンテしてカスタマイズし続けて…みたいなのは合わなかったと思うので、これくらいの雑な管理でちゃんと応えてくれるESCAPEという自転車は、わたしにはちょうど良かったなと思います。ちなみに、ESCAPE AIRというモデルこそ今はなくなってしまったけれど、R3は相変わらず定番として毎年新しいのが出ていますよね。

良かったこと

自転車を始めて良かったのは、何をおいても自転車の楽しみを知ることができたこと。ママチャリとは全然違う、ひと漕ぎで風を切ってぐんと進む驚きは10年経った今でも新鮮に覚えていて、乗るたびにいいなと思える。お手入れをしたあとなんかは羽が生えたように漕げる錯覚すらあって、特に気持ちのいいものです。

速さもさることながら、自転車だとこんなに気軽にこんなに遠くまで行けるんだ、ということに気づける楽しさもある。家から東西南北あちこち行ってみて、地図とにらめっこして走りやすいルートを探してみるのも楽しいし、車が通れないような川沿いをハイウェイのようにしてショートカットするのも楽しい。自転車からしか見えない景色がある。

海を見に行ったこともあった
お花見は毎年の恒例

始める前と比べて健康習慣がついたかというと、なんとも言えない。前述のとおり毎日乗っているわけでもないし、乗ったとしても30~40kmみたいな乗りかただから、すごい痩せたとか足腰が丈夫になったということはなさそう。よく言われるのは、同じ有酸素運動でもランニングなどより膝への負担が少ないから長く続けられるという話で、確かにそれはあるかも。

それでも、そんなに負荷をかけて乗るわけじゃないから、それよりも単純に気分転換による心理的な効果が大きい気がしています。天気がいいと、パッと乗ってパッと帰ってきて、また仕事みたいな日もある。十分な気晴らしになっています。

大変だったこと

一方、ママチャリとは勝手が違うことから、疲れない乗り方を身につけるまではけっこう大変でした。慣れが必要だったし、いまでもシーズンが空くと毎回乗りかたを忘れる。いとも簡単にお尻が痛くなる。

コツとして気を付けているのは、ハンドル・サドル・ペダルの3つに過重を分散すること、ハンドルは手首を反らさないこと、骨盤を立てるようにしてサドルに対して垂直に腰掛けること、ペダルは踏むことよりも回転を意識して母指球に位置を合わせること。

もちろんそれ以前にサドルの適切な高さ変更もそうだし、サドル自体の合う合わないもある。わたしは初期の純正のサドルが硬くて合わなかったのですぐ変えて、そのあとも形と硬さをあれこれ変えてみて、いまはかなり柔らかめのものにしています。

あとはやっぱり、ケガでしょうかね…。運動神経皆無なので、ちょくちょくバランス崩してコケたりはしているのですが、石畳の溝に前輪を取られて鎖骨をやったときはさすがにしばらく乗れなくなりました。

それでもほんとの自転車好きは骨折しようが何しようがまたすぐ乗るというから、そこまでではないというあたりが自分の自転車との距離感なのかも。ただこれも当たり所がまだ良かったというだけの話で、もっと大事になっていた可能性もないわけではないから、10年間大きな事故に遭わずに来れた幸運への感謝もある。交通リスクの大きい道を避けるなどの危機管理は大事。

また自転車ってよく盗難についても言われますが、わたしの場合はさほど高くない自転車なこともあってか、これまで特段危うい場面はありませんでした。普段フレームに取り付けているダイヤル式のU字ロックと、場合によってはダブルループ式のワイヤーで地球ロックするくらいでOK。でもこれも場所によるかも。

これから

こんな感じで、軽めの趣味としてほどよく自転車を楽しんできた10年間。今の愛車にはもう全然不満はないので、たまにジャイアントストアで点検してもらいながら、乗れるところまで乗りたいなと思います。

一方で、2台めを買うとしたらどんなのがいいかなということも考えてみたり。クロスバイクの要領は分かったので、ちょっと違うタイプのものにも乗ってみたい。ロングライドやレースに興味があるわけではないから、やっぱりまた違った感覚で街乗りが楽しくなりそうな小径車がいいかな。

自転車、初期投資でざっくり10万円くらい必要なほかは、維持費がかかるわけでもなし、全然お金のかからない趣味だなと思います。こんなにコスパのいい趣味もそうそうない。カメラやグルメなど、出かけて行った先でほかの趣味と組み合わせやすいのもいいところ。

10年前、まだ自転車を買おうか迷っている自分に声をかけるとするなら、楽しいから早くそれ買っちゃいな、と言うかもしれないな。

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