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映画は孤独を癒す

なぜ映画が好きなのか。
この問いは単純なようで複雑だ。
もし一つ答えを用意するなら、映画は孤独を癒してくれるから

 私はちょっと変わったジャンルの映画が好きだから、周囲に共感してくれる人が少ない。映画館に行く時もなかなか誘える人がいないため、ほとんど一人で鑑賞する。誰がこんな映画観るのだろうと思っても、必ず他のお客さんがいる。同じく一人だったり、カップル(夫婦)だったり、友人同士だったり。

 もちろん知り合いではないけれど、この映画を観たい人がいるんだと思うだけで、ちょっとだけ心が弾むのである。「やっぱ外せないよねっ!」なんて心の中で念を送ってみたりする。

 映画館での体験だけではない。

 世界的に高い評価を得る作品がある。
そのジャンルにおける金字塔と言われる作品、決して色褪せない往年の名作、数々の賞を総なめにした作品ー素晴らしい作品は、あらゆる垣根を超えて私たちの心に届く。

 綺麗事のように聞こえるが、これはすごいことだ。時代の変化も、言葉の壁も、文化の違いも、私たち人類がなかなか超えられない垣根をいとも簡単に飛び越えて、人々を笑わせ、泣かせ、絶望させ、そして希望を与える。

 2020年にアカデミー賞四冠を達成したパラサイトや、他の記事でも紹介したジョーカー。これらは社会的なメッセージ性の強い映画だが、韓国やアメリカと日本の社会情勢は異なる。でも根幹にある経済的格差という課題、その中で生きる人々の葛藤は共通している。たとえバックグラウンドが違っても、ひっそりと共鳴し合う私たちの心を、映画はそっと繋げてくれるのだ。

 映画を観ることで、私は深い安心感を得る。何十年も前に生きた人たちや、遠く離れた国の知らない人たちと、一瞬にして心を通わせることができるから。

何度も見返した大好きなあのシーン。

いつか真似してみたいあのセリフ。

ふと思い出した時、いつでも戻ってこられる場所がある。

 映画は決して色褪せない。そして新しい映画に出会うたび、心の中に頼れる”ヒーロー”が増えていくのだ。人生で路頭に迷ったとき「あの主人公ならどうするかな」なんて考えてみるのも、一つの道しるべになるかもしれない。

 映画は孤独を癒す。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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