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バトル・インフェルノ(2020)ー悪魔祓いも生配信する時代が来た。

 偽の悪魔祓い動画やグッズで金儲けするマックスとドリュー。いつも通り動画配信を始めたところ女優に本物の悪魔が憑依してしまう。もちろん神父でも何でもない2人は悪魔退治に大苦戦。クスッと笑える新感覚悪魔映画。SNSの普及にもバッチリ対応済みの現代版悪魔さんがやりたい放題。私のようにエクソシスト系の映画が好きな人は始終ニヤニヤが止まらないだろう。

<あらすじ>

マックスとドリューはリアルタイムで悪魔払いの儀式を配信するヤラセ番組「除霊の時間」で荒稼ぎしていた。ある日、取り憑かれた人間役の俳優が姿を現さず、ドリューの婚約者レーンが代役として出演することに。しかしレーンは台本を無視し、まるで本物の悪魔に取り憑かれたかのように振る舞い始める。さらに、突如としてスタッフの1人が火だるまになって焼死してしまい……

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<感想>

 ヤラセ番組内では自分は神父だと偽っている主人公マックスは、普通にファンと寝ちゃうようなクズ男。ドリューの婚約者であるレーンに取り憑いた悪魔は、配信を切らないように仕向け、視聴者が観ている前でマックスをいたぶっていく。

 生配信中というシチュエーションを巧みに利用した構成となっており、飛び入りゲストと化した悪魔がカメラに向かって「こいつに何をさせる?」と問いかける。面白いのは視聴者のアホさ加減。普通に死人も出ている状況なのに「服を脱げ」「尻を出せ」「ダンスを踊れ」などおちょくってくる。言われるがまま素っ裸になったイケメン偽神父マックスに女性視聴者は釘付けだ。

 この悪魔、なぜかやたらと「汝の嘘を告白しろ!」と煽ってくるのだが、追い詰められたマックスが身ぐるみを剥がされていくのが痛快だ。自分は神父ではないことはもちろん、公式販売していたお祈り用の布には何の効力もなく、バチカン製ではなくて安い中国製であることを暴露する。ここまで話したのにまだ許してくれない悪魔に指を噛みちぎられる哀れなマックス笑。教会の献金を盗んだことがある、隣の車にぶつけたけど黙ってた、など自らそのクズっぷりに拍車をかけていく。

 悪魔に翻弄されている間もライブの視聴者数は鰻登りだ。世界中で観ている視聴者のリアルなリアクションが面白い。「ハートが集まれば助けてやる」と悪魔が言えばファンは好きボタンを鬼連打。韓国の警察官からアメリカ大統領の息子まで、いろんな人々が固唾を飲んで配信を見守っている。

 悪魔に取り憑かれたレーンはなかなか怖い出来だが、流石にカメラ目線で「ハッシュタグ〇〇」とか言われるとデーモン閣下みたいで笑ってしまう。最後覚醒した悪魔がドリューに馬乗りになってタコ殴りしているシーンも笑った。こんな肉弾戦仕掛けてくる悪魔観たことないわ笑。ちなみにドリュー役の俳優さんは「スマイル」で天使のように人の良い元彼を演じたカイル・ガルナーさん。

 最後のオチはあえて伏せるが、捻りの効いた秀逸なラストとなっている。なるほど。悪魔サイドも時代の変化に合わせてばっちりアプデ済みでしたか。

 低予算映画なだけに伏線を回収しきれていない部分もあるが、最後までノンストップで楽しめる良作ホラーコメディーだ。この状況でスーパーナチュラルのウィンチェスター兄弟や死霊館のウォーレン夫妻が颯爽と入ってきて「やれやれ。世話が焼けるな」なんて言いながらガチの悪魔祓いを披露してくれたら最高だなぁ、なんて脳内妄想が捗る捗る。今ならAmazonプライムビデオで無料配信中。ぜひご鑑賞ください。

最後までお読みいいただき、ありがとうございました。



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