ブラック・フォン(2022)ージャケ写に騙されないで!
マスク姿の男、子供が主人公とあってティーン向けホラーかと思ってたけど予想外にシリアスな作品。余計なシーンは一切なく誘拐犯から必死に逃げようとする少年を淡々と描く、正統派良作スリラーだ。それにしてもブラムハウスは裏切らないな。就職したいわ。
(ちなみにジャケ写はこれ↓)
〈あらすじ〉
〈感想〉
※以下ネタバレを含みます※
主人公フィニーとグウェン兄弟の家庭環境がなかなかにエグい。ベルトでバシバシと娘を殴る虐待親父。泣き叫ぶグウェン。このご時世になかなか攻めてくる。兄弟は家でも学校でも互いを支え合って暮らしている。
気の弱いフィニーを守ってくれるロビンという少年が出てくるのだが、喧嘩に強いだけではなくアウトローな雰囲気が超絶カッコ良い。ロン毛にバンダナを巻いていて年齢のわりに大人び過ぎている笑。相手を殴って流血した拳を洗いながら「こういう場合は血が多いほどいいのさ」なんて言う小学生いる?笑
お兄ちゃん思いの妹グウェンのキャラも良い。父親の虐待にもめげず、兄を守るためいじめっ子に突進していく。そして子役ちゃんがこの上なく可愛い。そりゃもう目に入れても痛くないくらい可愛い。写真貼っとくか。ほいよ。
誘拐され地下室に監禁されてしまったフィニーは、黒電話から聞こえてくる他の子供たちからの指示に従って脱出を試みる。これがなかなか胸熱で、先に誘拐されてすでに殺されてしまった子供たちは、自分の未練をフィニーに託すために脱出を手伝うのだ。僕の代わりに犯人を倒してくれー!って感じで一致団結していく。その中にはあのロビンも…。2人の会話がこれまた感動するのだ。敵を倒す時のステップを指導してくれる。カッコ良すぎるぜ。ついていきます!兄貴!
それに並行して妹ちゃんも大健闘。詳細は不明だが母親譲りの特殊能力を持つグウェンちゃんは予知夢を見ることができる。この能力を利用して兄の居場所を必死に探すのだ。雨の中黄色いレインコート姿のグウェンちゃんは、何だかイットで真っ先に殺された幼い弟ジョージーを彷彿とさせる。
映画終盤、犯人に追い詰められるフィニー。「やるっきゃない!」と決意を固める際の表情が最高で、腹を括ったフィニーのなんと頼もしいこと。今までの様々な小細工が伏線になっており、ちょっとだけホームアローンみたいな仕掛けとなって犯人を追い詰める。ホームアローンの泥棒2人は人外の生命力を有している映画界最強人間なので例外だが、この犯人は普通の人間なので動くことができない。最後に鳴り響いた黒電話からは殺された子供達からのメッセージが。「ほら、お前に電話だよ」と犯人に聞かせるフィニー。痺れたぜ。メーン。
最後駆け寄ってきて泣きながら二人に謝罪する父親。これには正直うーん…あんたのしたことはそんな謝罪じゃ消えないと思うけどな。
グロ描写もないので万人ウケすると思う。どうやって脱出するんだ?というサスペンス的要素と、死んでしまった子供達の断片的な記憶やグウェンの予知夢などのオカルト要素が絶妙なバランスで組み合わさっている。来年には続編の公開も決定しているようなので期待したい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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