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【#507】「ありがとう」からくる心地良さを感じてくれたら(200703)

「ありがとう」と言うのが難しい、疑問に思う生徒は、「ありがとう」と言われた経験が少ないのかもしれない。
「ありがとう」と言われて気持ちいいとは思えないのかもしれない。
「ありがとう」と言われて、不気味に思っているのかもしれない。

返事は期待していない。
返事が当然とも思わない。
だけど、生徒の行動を見ていたら、「ありがとう」とは思わずにはいられない。

僕は「ありがとう」と言ってしまう。

言われた生徒はどう思うかはわからない。
でも、特に、清掃の時間で行動が変わった生徒がいる。ムスッとしていたのに。黙っていたのに。サボりたい気持ちもあるだろうに。
連絡、報告をしてくるようになった。返事をして、役割をこなすようになった。
僕はその都度、「ありがとう」「助かったよ」と言う。ほんとに助かるんだもの。
もしかしたら、「ありがとう」を求めているのかもしれない。だから頑張るのかもしれない。
僕は「ありがとう」と言えることがうれしい。生徒は「ありがとう」と言われてうれしいかもしれない。
うれしさは、役割につながる。自分が役に立っていることにつながる。それは、労働の喜びにつながっていくのではないか。

そして、こんな期待は本来しなくてもいいのだけど…もしも、この生徒が「ありがとう」と言うことがあれば、僕は泣くかもしれない。