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災害を考えること、災害から考えること

札幌にて震災をテーマとしたイベント「災害を考える/災害から考える」を行います。メインは震源地に近く、震度7や大規模な土砂崩れが発生した厚真町の関係者による講演。その他、災害に関するワークショップや展示なども行います。場所は、札幌市南区の「札幌市立大学まこまないキャンパス」にて、開催日は3月16日(土)12:30〜16:30です。

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去年の9月に発生した北海道胆振東部地震。ぼくも当日は札幌にいたため、被災者の一人だ。復旧しない電気や水道、彷徨う観光客、札幌市役所に並ぶ5時間待ちの電源待ち行列、真っ暗なすすきの、いつまで経っても変わらない状況、その中で疲れ果てる自分。二拠点居住の自分としては、関東にいる人々との気持ちのギャップも感じた。ぼくは2011年に東京にて東日本大震災も経験しているが、それとは共通するところよりも、違うところをたくさん感じた。体験したことのない様々な経験と不安に包まれるTwitterの中で「この経験は、大学が有する知見を加えて、次に活かせるものにしないとダメだ。それこそ大学の役割だ」という気持ちが高まって行ったことを今でも覚えている。実は当初、全然別のイベントを想定していたのだが、思い切って企画を書き直し、教員で構成されるまこまないキャンパスの運営会議に提出した。反対する教員は一人もいなかった。

今回のイベント名は「災害を考える/災害から考える」とした。考えずに実施できる「対策セミナー」ではなく「考えるきっかけを作る場所」でありたいと思った。札幌市立大学は札幌市の税金で運営されており、実行には慎重さが求められる。決してスピーディーな決断のできる大学ではない。今回も決して早い対応とは言えない。震災に関するイベントは、札幌市内や北海道内の他大や他団体で既に行われている。一方で、速報性に頼らない価値を提供できる学術団体だし、厚真町とは包括連携協定を結んでいる。震災前から厚真町と関わっていた教員もいる。だからこそ、時期が少し経った今だからこそ、価値が生まれるイベントになってほしいと考えている。

札幌と東京の二拠点生活がもうすぐ1年を迎える。苦しいことと、楽しいことのどちらが多いか、と言えば圧倒的に苦しいことが多かった。人のスペックは有限で、やれないことがたくさんあることを痛感した。反面、同時に僕しかできないことにも気づく。2019年は、そういうことを一つ一つ大事にしていきたい。今回のイベントは、その第一弾になると、思う。



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