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障害者雇用で1ヶ月③ 読書という業務

今働いている人事部には健常者・障害者関係なく「読書」という業務がある。

近年話題になっているリスキリング(学び直し)やスキルアップが図られているのと、おそらく人事部が会社全体の教育を率先して行なっているからだと思われる。


保管してある本は約300冊。

経済・財務・会計、人事・労務といった業務系をはじめ、思考テクニック育成、プレゼン力育成、コミュニケーション能力育成、仕事の進め方、精神論、日本社会の問題、読書術、リーダーシップ論、マネジメント論、教養(歴史や宗教、美術史、哲学など)、パソコン術、フェルミ推定、などなどである。


障害者の先輩から「時間があるときは読書してもらってかまいませんよ」と伝えられ、がぜんテンションが上がった。周りを見渡しても読書している人は誰ひとりとしていなかったのだが、入社したてのヒヨコである私の育成方法として、これらの書籍を読みふけることは重要な業務なのだろう。


「読む本はなんでもいい」と言われ本棚の前に立ってみてあらためて思ったのだが、これだけあると選ぶだけでも実に楽しい。読み終わったあとに特にレポートを提出する必要もないので、無理に1冊すべてを読み切る必要もない。(正確には部署の共有クラウド上に「読書レポート(雛形)」というファイルを発見してしまったのだが、見ぬふりをすることにした)


あらゆるジャンルの本を手当たり次第取っては読んで、つまらなかったらすぐ戻して、面白かったら読み進めてということを繰り返す。本屋さんでこんなに立ち読みしたら間違いなく嫌な顔をされるだろう。これはそんなに時間に追われるほどの業務もない、ヒヨコならではの特権ともいえる。


今手元にある本には、フェルミ推定の解き方が解説されている。私はロジカルに計算するよりもざっくりとしたイメージで思考するタイプだから、フェルミ推定はぜひとも身につけたい能力であった。


しかし「日本人はピアスを国内合計で何個持っているか」という問題で、解答例では持っている人は一人当たり1個だと計算されていたので「そりゃないだろ!」と頭の中で全力でツッコんで以来、やる気を失ってさっぱり進んでいないのである(笑)

ーーー続く

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