見出し画像

ピカソの故郷スペイン🇪🇸で、ピカソ三昧

有名な画家の名前を挙げようと思った時に、まず思いつくのが「ピカソ」という方も多いかもしれない。
それもそのはず、既存の価値観に線で反旗を翻したキュビズムの創始者Pabro Picaso(パブロ・ピカソ)は「最も多作な画家」としてギネスに登録されている。

その作品数は、約15万点。(以下内訳)
絵画とデッサン 約1万3500点
版 10万点
挿絵 3万4000点
彫刻・陶器 300点

ライバル視されることも多い、アンリ・マティスの総作品数は150点と言われているので、数が全てということは決してないけれど、約1000倍もの作品をこの世に生み出していると考えると、やっぱりちょっと化け物じみている。

あと、本名も長さもリアル寿限無。
パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・クリスピン・クリスピアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソ
Pablo Diego José Francisco de Paula Juan Nepomuceno María de los Remedios Cipriano de la Santísima Trinidad Ruiz y Picasso

そんな色々すごいピカソの作品、彼の生まれ故郷のスペインで堪能しまくることができる。


「青の時代」を産んだバルセロナ

バルセロナ・大聖堂

1881年10月25日、スペインのアンダルシア地方のマラガでピカソは生まれた。
美術教師の父を持ち、子どもの頃から絵画の才能を発揮していたピカソは、14歳で父親に連れられバルセロナに移住し、多感な思春期を過ごした。

青や青緑色が中心の、モノクロームの作品群で生と死、貧困に向き合った、画家の原点とも言われる「青の時代」は、ここバルセロナでの作品群だ。
バルセロナで過ごした日々は、後年自ら振り返ったように「全てが変わる」ほど、濃密な期間だっただろう。

ヌエバ広場(カタルーニャ建築家協会)の壁画

街中に突然ピカソ

そんなバルセロナだけに、歩いていると街中に突然ピカソが出現する。

場所は「バルセロナの真珠」とも呼ばれ、古き良き街並みを残すゴシック地区。
その象徴でもあり、最高峰のゴシック建築様式を持った、バルセロナ観光では外せない「カテドラル」のすぐ向かいだ。

違う方向から

カタルーニャ建築家協会の建物の壁3面に、ドドーン!。
若き日のピカソのデッサンを、ノルウェー人の建築家の方が掘り込んだものだそう。

壁画の中でみんなが踊っているのは、カタルーニャの民族舞踊「サルダーナス」など。
バルセロナの巨人「ジャガンツ」なども描かれている、可愛い。

めっちゃ楽しそう!

の、前でみんなが踊ってるのも、もっと可愛い♡

なぜみんなが輪になって踊っているのかは全く分からなかったけど、仲間に入れてもらえたので、夕暮れにゆったりと、手を繋いでみんなでワルツ。なんだか気持ちいい1日。

ピカソ本人も関わった「ピカソ美術館」(バルセロナ)

ピカソ美術館

ピカソの遺族が相続税の代わりに物納したものが中心となって生まれたパリのピカソ美術館には、ピカソやその家族が最後まで手元に残していたお気に入りの作品が多い。

一方、バルセロナのピカソ美術館は、ピカソ本人の希望で「ぜひ縁の深いバルセロナに」ということで創られているので、こちらのラインナップもかなり手厚い!
開館当初、コレクションの中心となったのは、33年来の友人兼秘書であったジャウメさんの個人所蔵品と、バルセロナ市が所蔵していた作品。
後に、ピカソ本人や、その家族・友人などからの寄贈されたものも数多くあり、幼少期から「青の時代」の、若かりし日のピカソの作品群を心ゆくまで楽しむことができるのが特徴的。

世界3大名画とも言われる、ベラスケスの「ラス・メニーナス」を題材とし、様々な角度から切り取りながら何度も描いたラス・メニーナスの連作も、バルセロナのピカソ美術館で鑑賞することができる。

2階建

石のアーチがエキゾチックな雰囲気の美術館は、グランドフロアと1階の2階建て。
館内は受付近くにエレベーターがあって段差の少ないバリアフリーな作りになっており、写真撮影は禁止。
内装は白で統一されていて、外観からは想像出来いような透明感のある空間が広がっていた。
所蔵作品数は5000点ほど。
バルセロナでピカソの足跡を辿る際は絶対に外せない!

館内(パンフレットを撮影)

Picasso museum Barcelona
住所C/ de Montcada, 15-23, Ciutat Vella, 08003 Barcelona, スペイン
電話番号+34 932 56 30 00
営業時間:月〜日曜日、9:00〜20:00(金・土曜日は21:00)、無料開放日は木曜16:00〜(要予約!)

学生時代に美術を堪能した首都、マドリード

ピカソが館長を勤めたことがあるマドリード美術館

ピカソと言えば、誕生の地マラガやバルセロナ、パリ、南仏などとの関わりが多く語られるけれど、首都マドリードにもピカソスポットはたくさんある。

16歳でマドリードの王立アカデミーへ進学したピカソだったが、伝統的な手法を重んじるアカデミーでの教育は彼の好奇心を満足させることができず、プラド美術館でベラスケスやゴヤを観てその感性を養ったそう。

壮年になったピカソは、1936〜39年にかけて公式でないけどプラド美術館の館長に就任しており、様々な展示や文化活動に積極的に参加していた。

そんなマドリードで観られるピカソの作品と言えば、なんと言ってもゲルニカ!

20世紀スペイン美術の宝庫!ソフィア王妃芸術センター

現代美術を楽しめるソフィア王妃芸術センター

マドリードでも、ピカソの作品を多く所蔵するのは、こちらの「ソフィア王妃芸術センター」。

ピカソだけでなく、ダリやミロなど、20世紀の近代スペインアートが手厚く所蔵されているので、プラド美術館と合わせて巡ることで、美術史全体を網羅的に鑑賞することができる!

1901年「青衣の女」

「青の時代」の代表作の1つ「青衣の女」や「青い服の女」もじっくりと観ることができた。
こちらの「青衣の女」は、想像よりもサイズが大きく、実物はとても意思の強そうな女性に見えた。かっこいい!!

戦争の悲劇を白日の元に晒す「ゲルニカ」

この部分ばかりめっちゃ観てしまう。

第二次世界大戦をパリで過ごしたピカソが、スペインの内戦で起こった、村への無差別爆撃を描いた反戦の象徴「ゲルニカ」。
戦中、展覧会と一緒にアメリカへ亡命してからは、ファシズムが無くなり、真の平和が訪れるまでは決して母国の地を踏むことはなかった。ピカソらしい、あまりにも数奇な運命をたどった絵画のひとつだ。

1981年に平和が訪れたとして、晴れて帰国してからは展覧会への貸出等無い門外不出の絵画となり、30年に渡って撮影が禁止されていたため、「ここでしか観られない絵画」としても有名だった。それが昨年9月、撮影解禁となったので、かなり話題になっていたのは記憶に新しい。

きっかけはミック・ジャガーさんとか言われているけど、(一昨年彼にのみ撮影を許可し、「VIPなら撮影できるんだ?」と燃えていた……。)きっかけはどうあれ、国家が日常生活の場に空爆を繰り返すシーンに既視感を覚え続ける昨今、「ゲルニカ」が広がっていくことは、ものすごく意義深い感じがする。
新館長のマヌエル・セカデさん、英断だなぁ。かっこいいなぁ。

Museo Nacional Centro de Art Reina Sofia
住所C. de Sta. Isabel, 52, Centro, 28012 Madrid, スペイン
電話番号+34 917 74 10 00
営業時間:月、水〜土曜10:00〜21:00
                  日曜10:00〜14:30
無料解放時間:月、水〜土曜19:00〜21:00
                         日曜12:30〜14:30
18歳以下無料、25歳以下の学生はいつでも無料

スペインでピカソ三昧

観て楽しい、知ればもっと楽しいピカソの足跡を辿る(初心者編)。
これまた巡る気になれば、全部無料で巡ることができるので、スペインまで来たら軽い気持ちで立ち寄りたい。
無料で巡れるマドリード3大美術館情報はこちら↓↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?