【詩】アセノスフェアの底の底

アセノスフェアの底の底
地の底巌底重力の底抜けた底の底
時間の淀みの泥の底

傲れる星の翼の骨はギシギシ鳴って
孤翼の生まれは泳げもしない溺れるばかり
肋の星のきずなの由は
現世の誰の一人も信じない

隔たること窮み無し天の一星よ
どうか我名を還し給え
憐れな海鼠、罪星の、八つ裂かれた光の骨を

嘗ての歌は水底で、泡の波音にくぐもって
雲の上には響かない
星銀の笛 金星の歌 青火の宮の遠い遠い双重奏

双星の祈りよ しかし
今はまだ聞き届けられぬよう
戯の嘘など吐くものか緑光の羽尾に誓い
雷王を畏れもせずに宙を駆け裂き欲したものを
此処へと君の取りに戻るまで

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