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#万葉集

夜明けの太陽と月

夜明けの太陽と月

 東の野にかぎろひの立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ
万葉集
柿本人麻呂

 東の方から夜明けの赤みがさしている。そして後ろを見るとに月が沈む様子が見えるっていう歌だ。今は身近には見れない壮大な風景だ。見てみたいなとしんとした気持ちになる。

 この歌はながい七五調が続く長歌の後に続く。なんでも、故天武天皇の孫である文武天皇が祖母である持統天皇と狩りにいったときの始まりを寿ぐために歌われたらしい。

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みんなの歌からひとりのみんなの歌

みんなの歌からひとりのみんなの歌

春の苑 紅にほふ 桃の花 したでる道に 出で立つ乙女
万葉集
大伴家持
 万葉集では、大友家持が好きだというのはこっぱはずかしい感じがしていた。ちょこっと、かじっているだけだし。

 万葉集はまだ、社会が初々しいころの初めての歌集で古代からの民謡、防人、天皇、いろんな立場の人々の歌が集められている。生活の中に歌がある。そして、なにかしらの祈り、思いをあらわしてように思う。
 

 その中でいろんな

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