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旅日記

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2016年5月の記事一覧

善光寺に参る

善光寺に参る

 松本のまちを善光寺にむかってみると、ここは県庁所在地というより、仏教以前の古くからの信仰の街なのだということが感じられます。活気があります。途中、宿坊の寺があり、日蓮など、宗派にこだわらず参っていたことが由来の立て看板からも納得できました。山門をくぐると、門前の茶店が寺に団体さんを案内しています。こういったところは伊勢神宮のようです。

にぎやかな商店街があり、聖と俗が渾然としています。おおきな

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雪解けのころに思い切っていってみてよかった

雪解けのころに思い切っていってみてよかった

 雪がかたづけられた道を10分ほど歩くと、再現された一茶の生家があります。

北国や いろりの隅の 葱畑

もう四月なのに雪に埋もれています。そして、そのとなりにある一茶が亡くなった納屋も保存されています。

ほんの一間ほどでしょうか。おとなりにあるのはご子孫の家のようです。

 一茶は、はなやかだけど、根無し草で心をすり減らす江戸の生活を捨てて、初老になって故郷に帰りました。そして、亡き母のあと

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信濃の春 小林一茶への旅

信濃の春 小林一茶への旅

 一昨年行った信州黒姫への旅について思い切って書いてみようと思います。鹿児島、屋久島で生涯を終えた詩人、山尾三省の「カミを詠んだ一茶の俳句―希望としてのアニミズム」という本に興味を持って、急に雪どけごろの信濃にいってみたくなりました。小林一茶は、「おくの細道」の松尾芭蕉とかにくらべると、ぐっとおちるユーモアのある下世話なおじさんというイメージで、彼の俳句のいみがわからなかったのです。しかし、この本

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