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あなたや私の中にもヒロスエがいるし、なんだか泣くしかない感じがする土曜日だった

#創作大賞2023

芸能人のゴシップについて、割とどんな内容であってもインターネットの世論に乗っかって叩くようなことはしたくないという謎の倫理観(と共感意識と被害者意識)を持って生きていて、今回も決して叩きたいという意図はない。一方で、ヒロスエ(友達でもないのにごめんなさい。あえて記号としてカタカナ表記にさせてもらいます)のことは、ここ数日ずっと頭の中でぐるぐる回っていて書き出したいと言う気持ちが抑えられなくなってきたので日記にします。

いきなりだけど、あなたの中にも、ヒロスエはいませんか?

あんな、中学生みたいな、純粋で誤字脱字を含んだ、語彙力の不足した、素面の大人からしたら恥ずかしい、痛い手紙に書かれた大人になりきれない心。

あんな、容姿端麗でありながら、それを全く活用した感じがしない選択をする何か。

あるいは、クラスの半分くらいが同じイタズラをしていたのに、一番目立つ子だけが先生に見つかって怒られてしまうこの構図に見覚えはないですか。

私の中には、ヒロスエがいます!

もちろん、現実世界では私はあんな交換日記をしていないし、そんな相手もいないのだけど。でも、あれを見て、「もしかしたら自分だったかもしれない」「恋愛でもなくても、私の存在だって同じくらいズレていたり、恥ずかしい存在かも」「私の中にもヒロスエがいる」と思わずにいられない。

ワカメの仮説。

彼女は尋常ならざる美しさを持ち、15歳でクレアラシルの広告でデビューした時から活躍していて、それはそれは眩しいことなのだけど。あの持続する透明感は、実は経験を通しても学習をしないという個性だったり、不安定であり続ける精神的な特徴だったりの結果なんじゃないか。そして、それは周りの(時として悪い大人の)サポートがあってこそ実現していた27年間だったんじゃないだろうか。普通だったら壊れてしまうようなシャボン玉のような存在の彼女を、周りが必死に湿度を足したり団扇で仰いだりしながらなんとか形を保ってきた。なぜならそれは、お金になるから。そして彼女は、周りの期待に応えるような良心を持ち合わせていた。

逆に、奇跡のような美少女に生まれてさえいなければ、彼女はもっと平穏に、ただの目立たない田舎の女性として生きられたかもしれない。今頃は腰回りはでっぷりと太っていただろう。天が与えた容姿がためにむしろ運命が狂ってしまったと言ってもいいくらいだ。本来の姿(正直で学習しない不安定な女性)と世間の期待のギャップは年々広がりを見せ、2023年にいよいよこのような形で明るみに出てしまった。猛烈なスピードで広がったギャップをもはやこの地球システムは支えきれなかったんじゃないか。それで、満を持して爆発した文春砲。

でもね、誰でも、多かれ少なかれ、テーマは違えど、ありませんか。

「会社では偉そうにしてるけど、全然ビジネスのことわかってない(そして自分では気づいている)」
「子供には道徳を説いたりしてるけど、会社では気に入らない同僚を無視してる(けど子供には言わない)」
「SNS上では同居するお姑さんにいつもありがとうって言ってるけど、本当は早くお迎えが来ればいいと思ってる(けどもちろん夫にも本人にも言わない)」

などなど。わざわざ文春が取り上げない、インターネット上では商品価値のない「表現していることと、実態の乖離」の事例なんて私達の間にもいくらでもあるはず。

だから、たまたま玉のように美しい42歳の女性の不倫事例が情報としてインターネット上にでたからといって、それを今世紀最大の笑い事や悪事のように扱われるのは気の毒な感じがしてしまう。もちろん直接関わるご家族には謝ったらいいのだろうとは思うけど、それだって私には関係のないことだし、少なくとも私に向けて謝っていただく必要なんて全くない。一切迷惑なんてかけられてませんから。どちらかというと、みんなが持っている罪を、彼女(とそのご家族)が一人で被ってくれた気さえする。

むしろ、募金箱があれば五百円くらい入れたいところよ、友人に話したら「そしたらきっと、入れてくれてありがとうって手書きでお返事が来るね!」と返ってきた。。。

今日も一日、お疲れ様でした。

6月18日追記:キャンドルジュン氏の会見(日刊スポーツが男気で掲載した全文)を見て、その覚悟(それでも妻や家族を守る)や賢さ(質問をする記者を匿名にさせずに壇上にあげる)に感動しました。あまり個人として出来ることはないのだけど、せめて何かと思ってキャンドルジュン氏のオンラインのお店で3本キャンドルを購入。勇気ある意思決定をする友人へのギフトに良さそうです。

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