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主文、被告人は無罪。|第2話

第2話:行方不明

2005年12月1日、小さな町で暮らす女の子が突然行方不明になり、家族と近所の人々が心配して探し始めた。愛らしい笑顔が生き生きとしたその女の子は、町の宝物のように大切にされていた。18時になり、家族は警察に相談し、近隣住民総出で女の子を捜索を開始するが、彼女はどこにも見つからなかった。捜索は深夜まで続き、林の中、川付近、池付近など広い範囲をカバーして行われた。

この町の平穏な日常が一変したことで、東京の主要新聞社とテレビ局も取材を始めた。一部の情報筋によれば、行方不明になった女の子について、単なる行方不明ではないかもしれないという噂が広まっていた。人々は不安と心配の中で、女の子を懸命に探した。

2005年12月1日、18時30分。警察は幹線道路に検問を設置し、コンビニやガソリンスタンド、高速道路の監視カメラの映像を集め始めた。しかし、まだ手がかりは見つかっていない。捜索に多くの人員を動員したが彼女の行方を捉えることはできなかった。

一方、18時にゲームセンターを出発するまでKは、新登場したガンダムのゲームに夢中になっていた。彼は時折ゲームセンターに通っていた。しかし、彼がゲームに没頭していた時間帯は、女の子が行方不明になった時間と重なっていたのだ。この偶然の一致が、後に事件の重大な転機を迎えることになる。

19時30分、Kは母親とスーパーで合流し、一緒に買い物をする。その後、20時には家に帰宅し、家族と夕食を共にした。夕食は料理が好きなKが作った。明るい笑顔を見せるKだったが、事件の影響を受け運命の歯車が狂い出していることをまだ本人は知らない。

21時30分、Kの家族が帰宅する。彼らはKの住むアパートから自転車で15分ほどの場所に住んでいた。Kは姉と二人暮らしをしていたが、姉が台湾に一時帰国しており、この時期はKが1人で暮らしていた。Kは五人きょうだいの長男だった。
Kの家族は母子家庭のようなものでとても貧しく母の帰宅が遅くなることがしばしばあり、Kのきょうだいは母が帰るまでKの部屋で待つのが恒例になっていた。

翌日の2005年12月2日、1時20分。Kは日の出を見るために出発した。彼は運転が好きで、よく夜中に車を運転してドライブしていた。彼の住む県は海がなく、日の出を見るためには隣の県まで80km近く離れた場所まで行かなければならなかった。

1時50分になり、Kの運転する車が地点AのNシステムに映る。2時20分、地点BのNシステムにも映った。彼が行方不明の少女の行方を知ることなど考えられなかった。

しかし、彼の行動は偶然とは思えないほど重なってしまった。道に迷ってしまい、4時ごろに海岸で日の出を見ることを諦め、帰ることにした。

6時12分になり、Kの運転する車が地点BのNシステムに映る。6時25分、レンタルショップに寄って借りていたコミックを返却した。6時39分、地点AのNシステムにも映った。
7時10分、家に到着した。そして、シャワーを浴びてそのまま眠りについて。

2005年12月2日の朝、町は憂鬱な雰囲気に包まれていた。行方不明になった女の子の消息を巡り、心配と不安が広がる中で、捜索活動は未だに結果を出せずにいた。行方不明になってから半日以上経ったが、女の子に関する情報は皆無であった。

警察署では、真摯な捜査が進められていたが、手掛かりがなく、報道陣やボランティアたちも徒労感に苛まれていた。家族と近所の人々は泣き崩れそうな気持ちを堪え、絶え間ない心の叫びを抱えながらも、希望を捨てることはできなかった。

果たして、行方不明になった少女の行方や真相はどこにあるのか?事件の謎が次第に深まり、女の子とKの運命が交差し始めて行く。

第3話:捜査が始まる

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