美しい職人の世界
学生の頃から
ずっと読んでいた
『デザインの現場』という雑誌の
タイポグラフィ特集に
いつも出てくる
嘉瑞工房という工房があって
いつも私の憧れだった。
活字が並ぶ工房内の写真とプレス機の美しさ。
※今月号の「デザインの現場」は職人特集らしい。。。
大学をEdinburgh College of Artに決めたのも
構内に印刷の機材が一式揃った工房があったから。
シルクスクリーンからブループリント、
活版まで詳しく教えてくれる技術者のRonがいた。
もう10年以上前に退職してしまったけど。
技術スタッフのBrianは190cmぐらいある
スコットランド出身の優しいアーティストで
私が卒業する時に自分のシルクスクリーン
作品をプレゼントしてくれた。
長い休みに入ると、ラジオを聞きながら
工房に入り浸ってずっと何かの印刷をして
クリスマスには手刷りのクリスマスカードを作った。
グラフィックデザイナーになってからは
自分で印刷することはなくなったけど
それでも活版印刷への憧れは変わらず。
そんな話をフォント会社の友達にしたら
嘉瑞工房に連れて行ってくれて
代表の高岡さんと会わせてくれた。
高岡さんは社会背景から
フォントの成り立ちを語れる人。
お話が本当に興味深くて毎回聞き入ってしまう。
今回は、
谷川 俊太郎さんの「私たちの文字」という詩に
書体設計士の鳥海 修さんが文字を作り
高岡さんが組版と活版印刷をして
美篶堂で製本する、
という職人美の極みのような美しい本を
受け取りに嘉瑞工房に行ってきた。
領収書も活版印刷で
あまりの美しさに見とれてしまう。