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ポストコロナを生き抜くために。小さな会社の強みとは

「おかしいと思うことがあったら、うちの会社では自分で変えられるんだよ。それってすごいことなんだよ」

これはエンベロープの運営会社であるカフーツ代表米田の言葉です。

私たちスタッフは常々「自分たちの頭で考えて」と言われています。なのでどのショップにもマニュアルらしいものはないし、お客様に通り一遍の対応をしたら叱られます。

求められるのが売上のように目に見えるものではないので、正直面倒に感じることもありますが、根っこの部分ではそれがこの会社のよさだと思っています。

でもなんで主体性(自分で考える)と臨機応変さ(お客様に合わせた対応)なのか。そしてそれがポストコロナ社会で生き残るためになぜ役立つのか、代表が綴ります。

■「自分で考えること」を思い出してほしい

はじめまして、カフーツ代表の米田です。
日頃から言葉を大切にしよう、言葉の力を信じようと言っているので、
書くのはプレッシャーです。 

小さなお店の集合体は、どうしたらこの困難な時代を乗り越えられるのか。
そんなヒントを探すためにも書くことにしました。

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冒頭でスタッフも言っていますが、カフーツで働く人にもってほしいのが、
主体性と臨機応変さです。

なぜなら、小さいことにこだわり細かいルールをつくっていくと、大きな組織でありがちなその人ならではの資質を必要としない仕事がどうしても増えてしまうから

現在アルバイトスタッフも含めると従業員数は190人近くになるので難しい面もありますが、カフーツをそうした組織にはしたくないのです。

主体性と臨機応変さという言葉を使っていますが、それを通して伝えたいのが、

疑問をもつ→自分で考える→納得してアクションをとる

というサイクルです。

子供のころの遊びを思い出してみてください。けん玉でも鉄棒でもドッジボールでもお絵描きでも何でもいいです。

うまくできなかった時に何でだろうと考えて、色々試していくうちにうまくできるようになった、そんな経験はありませんか。

疑問をもつ→自分で考える→納得してアクションをとる

それが成功した時に、喜びを感じたり充実感が得られたはずです。

ところが、最初から正しい回答が用意された課題をこなすことを求められていくうちにその喜びを忘れてしまいがちです。残念ながら、現実にはそんなケースが多いようにみえるのです。

■先生だって休んだっていいじゃん

「そもそもなぜ主体性と臨機応変なんですか」
そうスタッフにも聞かれたので、昔話を少しだけします。

自分はとても自由な校風の高校そして大学で学生生活を送りました。
高校は公立だったのですが、朝礼や終礼が一切ありませんでした。しょっちゅう休講になる先生もいて、そんな時生徒は遅く登校したり、早く下校したり。そんなことが当たり前のように行われていました。

大学は入試の時点から独特でした。数学は問題が6問のみ。答えにたどり着けていなくても、考えたプロセスが切々と書かれていればそれなりの点数がもらえる入試方法でした。

高校・大学でのいい加減なエピソードは山ほどあって、そんなのでいいの?と思う人もいるかもしれないけれど、自分はそれを好ましく思っていました。

こうした原体験がいまの自分に大きく影響しているように思えます。(先日高校の後輩に聞いたら、朝礼は毎朝あるし先生も休まないとのことでした。時代を感じます)

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カフーツのスタッフはほとんどが女性で、子供をもつ人が沢山います。自分の子供がどんな時に楽しくし過ごしているのか、その逆も知っているでしょう。

自分自身も「これをやりなさい」と言われることがイヤだったはず。だから、それに慣れること=大人になって社会性を身につけることだというのは、ちょっと違うなと思うのです。

子供自身が、疑問をもつ→自分で考える→納得してアクションをとる

子育てでもそれを実践すれば、子供本人がそして親自身も喜びや充実感をもてるのではないでしょうか。

■「みんなが同じ」でなくていい

主体性と臨機応変。
さらにもう一つ付け加えたい項目が、ダイバーシティです。  

普通は多様性と訳される単語ですが、もう少し具体的に言うと、自分と異なる意見や信条を持つ人に対しての包容力を持つということです。 

人種、国籍、性別などの社会的区別の問題だけではなく、もっと広い範囲で異なる意見を学び続ける姿勢は大切です。 

私が唱える「主体性と臨機応変さの必要性」だってそう思わない人も当然いるでしょう。正しいかどうかの問題ではないのだから。 

みんなが同じでなくていい。
むしろそれぞれが抱える事情や意見が異なることを前提とした、組織の仕組みづくりを進めていく必要があるのではないか。いつどうなるかわからない時代だからこそ、そう思います。

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日本はもともと同調圧力が強く、それにより力を発揮できることもあれば、
そのせいで息苦しさを生むともいわれています。 

自粛という言葉のもと、今さらにこの傾向が強まっているように感じます。平熱を知らない人に対しての入館前の検温や、電車では隙間なく座っているのに公園には真ん中に×印がついたベンチがあったり、アルコール消毒をしているといいながら支払いは現金のみの飲食店があったり…

それらのおかしなことについて、とやかくいうのは賢くないかもしれないけれど、長い目で見て個人としても会社としても無意味な建前は変えていく働きかけはしていきたいと思うのです。

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私たちの店には百貨店やショッピングセンター内で営業している店舗がいくつかあります。これまで、そこでは店舗はそれらしくふるまうことが求められてきました。

例えば開店、閉店時の通路に並んでの挨拶もその一つ。
日本らしいおもてなしとして行われてきたこの慣習も、スタッフや残業も減らさないと運営が厳しい店舗が多い中、中止してもお客さまは理解してくださるのではないでしょうか。

お客さまの意識も変わりつつある今、変化に対しての理解を得られることがたくさんあると思います。 

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営業時間もそうです。
自粛期間後営業を再開しても、店舗は平日が閑散として週末に混雑する状況は変わりません。この状況下で日常の嗜好品を扱う商業施設の店舗に、そうした利便性を求めるお客さまはほとんどいないように感じます。

各店営業時間も自由に設定できるようにし、そこで生まれた余裕をお客さまにとってもっと意味のあるサービスを充実させたほうが有意義です。

社会全体でも、曜日に関係なく人出を平準化することができれば、密を少なくして経済を回せるはず。休日のことに限らず、学校でも企業でも各自の裁量で決められるほうが健全なのではないか。

その一歩としても(商業施設側に変化を求めることはなかなか難しいのですが)、一緒に新しい価値をつくれるよう働きかけていきます。

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■大企業にはできない、小さな組織だからできること

弊社ではスタッフの労働時間や休暇がみな同じではなく、できるだけ各自の事情に合わせて設定できるようにしています。

お客様サービスについても同じく、その方に合わせた対応をするよう伝えています。今後は、例えば曜日にとらわれずに対応ができる体制を整えるなど
より多様性をもたせていきたいです。

我々のような零細がこの状況をサバイブするのは、簡単なことではありません。やはりそのために大切なのは、主体性・臨機応変そしてダイバーシフィケーションです。

大きな組織ではなかなか難しいこれらのことも、私たちのような小回りが利く組織なら取り組みやすいはず。小さな店の集まりであることがむしろ強みになるのでは、と思うのです。

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