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迷いますよね?海外転出届を出すか出さぬか。

博士留学でイギリスにいるえぬいちです。
今回は私が留学のときに悩んだ「海外転出届」を取り上げようと思います

少し長くなってしまいましたが、ネット上の情報だど少し不足するかなぁと感じた部分なので許してください。

私のnoteも情報が古くなったり勘違いがあったりするかもしれませんので、過信禁物ですよ... あくまでもN=1の意見や考えです。

海外転出届って何?

読んで字のごとくではありますが、まずは簡単に海外転出届に関しての説明をします。

日本に住んでいる人はホームレスの方を除けばどこかの区市町村の属すことになりますよね。新宿区と渋谷区と世田谷区の全部に住んでます!みたいなことはできません。

なので、引っ越しをする際に「転出届」が必要になります。

私の調べた範囲では、法的には海外転出届と国内での転出届に明確な違いはなさそうでした。(住民基本台帳に関する法律みたいなやつ)

さて、日本国内での引っ越しでは、転出届(同時に転入届)を出すのが当然だという考え方が一般的です。だって、沖縄から北海道に引っ越したのに、何かと沖縄で手続きする必要があるとか、面倒じゃないですか。だから、よっぽどの都合がない限りは何も考えずに転出届を出せばよいわけです。

しかしながら、海外に引っ越すとなると事情が変わります。なぜなら、基本的に日本で行政手続きする必要がないし、たまに日本に帰ったときに用を済ませれば良いや、ってのができるからです。

「海外転出届」が特別だと感じる部分はまさに、「何も考えずに出したほうが良い」わけではないところにあります。

これは、「親元を離れる学生が住民票を移動するかしないか」に似たような事情があるのかもしれません。

法的には出すべきだけど、なんやかんや許されるみたいなことなんですよね。

てなわけで、ここからは海外転出届に伴う変化について項目ごとにまとめていきます。ちなみにですが、私は提出しました。

国民年金

国民年金とは、元気な人が元気でない人を支える仕組みです。
多くの人は元気なはずなので、日本に住んでいる20歳以上の人は必ず払わなくてはいけません。一部の例外を除いて義務です。

さて、結論をまとめます。

海外転出届を出さない場合
年金は支払い続けないといけません。非常にシンプルですね。

海外転出届を出す場合
年金を払い続けるかどうかは自分で選べます。

「年金なんかクソくらえ」な人
→海外転出届を出すと無駄金を払わなくて良い権利が手に入る

「年金払っても良いや」「年金バンザイ」な人
→支払うかどうか自由に選べます。

えぬいちからの一言

将来日本に住まないぞ!
年金なんてクソ喰らえ!
みたいな人おめでとうございます。

最近は年金に関する注目度も高まっていて、
・受給年齢が繰り上げられたり
・もらえる額が減ったり
年金制度そのものが少子高齢化社会では軟弱な制度だ、という主張も一理あると思います。

ただ一点だけ言わせてください。
国民年金は、歳をとったらもらえる「老齢年金」だけではありません。
「障害年金」と「遺族年金」があります。

特に、障害保険は若者でも十分に受給対象になりうる可能性のある年金です。
年金=老齢年金だと考えて判断するのは軽率だ、ってことはぜひとも知っておいてほしいと思います。

そして重要になるのは、海外で障害を背負った場合の障害年金の給付条件です。詳しいところは自分で調べてほしいのですが、支払うべき期間のうちの何割は払っていることとか、障害を負ったときに支払っていたかとか、その辺りが関係していたように思います。(責任取れないのでごまかしました)

あと、海外転出届を出す場合、国内における学生の特例制度と異なり、「帰ってきてからまとめて払います!」みたいなことはできません。国内にいるときと同じような方法で徴収されます。
また、海外転出届を出した場合は海外の大学に籍を置く場合は、「学校を卒業するまで支払いを先延ばしにできる」という学生の特例措置は適用されないのでご注意ください。
(昔、どこかの国会議員が議題に上げたくれたみたいですか、認められなかったみたいです。残念。)

国民健康保険

保険は、日本で医療サービスを受ける際に国が半分以上支払いをサポートしてくれるものです。
保険に関してはケースバイケースなので、他の人の話を鵜呑みにすると大損をこくかもしれません。

結論は一見するとシンプルです。

海外転出届を出さない場合
国民健康保険を払っている人は保険に入り続けないといけません。

海外転出届を出す場合
国民健康保険には加入できなくなります。

えぬいちから一言
ここで問題なのはさきほどの「国民年金」が全員加入であったのに対して、「国民健康保険」に入っている人は4人に1人くらいというところなんですよね。

自営業やバイト(学振のDC1,2なんかも)で収入の多い学生が入るのが国民健康保険です。

多くの学生は親の扶養に入っているはずです。そして、親が会社員や公務員の場合には、そもそも「国民健康保険」以外の保険に入っているので、海外転出届を出した場合の対応は取り扱っている団体によってルールが変わります

社会人になったことない学生には分かりにくいですが、保険に関しては基本的に親のおこぼれに預かっているんですよね。そして、保険によっては、海外留学の場合でも引き続いて親の扶養に入り続けることができる場合もあったりします。

なので自分の入っている保険が、海外居住をどのように扱っているか、特にお子ちゃまの場合は、被扶養者(扶養してもらっているお子ちゃま)の海外居住をどのように扱っているか、を問い合わせることが大事です。

海外に行く場合、ほとんどの国の医療サービスの質が日本より低い、あるいは言語の問題で満足しづらいらしいです。

なので、たまに日本に帰ったときに歯医者やら健康診断やらまとめて行っちゃえ!みたいな人が結構います。こうなると、日本で使える保険証を諦めたくないという考え方は当然といえば当然。

ただ重要なのは、親(あるいは配偶者)の扶養に入っている人なんかは、海外転出届を出しても日本国内で使用可能な保険証を持ち続けることが可能な場合があるってこと。そして、それを利用しない手はない、ってことになります。

選挙権

海外転出届は選挙にも影響があります。
個人的にはこれが決め手になりました。私は選挙で投票するのが楽しいと思う派なんですよね。

結論から。

海外転出届を出さない場合
選挙を諦めて結果だけをニュースで知るか、選挙のときに日本に帰るかの二択になります。

海外転出届を出す場合
手続きさえすれば海外から投票できるようになります。ただし、国政選挙と国民投票だけが対象になります。

えぬいちから一言
2021年の1月現在、衆議院選挙は一年以内にあることが確実で、もしかすると日本で初の?国民投票が近い将来あるかもしれません。なので個人的には海外転出届は出すべき!って言いたいところです。

ただ、選挙は権利であって義務ではありませんからね。

税金

収入のある人は、税金の中でも特に住民税が関係してきます。
しかしながらごめんなさい。私は日本で収入がないので良くわかりません。ここまでまとめた項目に、税金の項目をご自分で付け足して判断いただければと思います。

まとめ

海外転出を出すことは各制度上の問題として、

年金→考え方次第でメリットにもデメリットにもなる
保険→一見するとデメリット、被扶養者はそのデメリットを消せるかも
選挙→メリットしかない
税金→ご自分で調べて!

みたいな感じになります。

基本的に書類手続きが増えるので、そこをデメリットだと思う人もいそうですが、どれも時間はそんなにかかりません。学生の人は市役所なんかに行く貴重な機会くらいに思っておけばいいと思います。

むしろ、留学の機会に保険や年金について知ることは良いことだと思います。

現時点では、海外に行く際にはマイナンバーカードは失効されることになっていますが、今後はマイナンバーを使ってこの辺の行政手続きが簡素化、合理化されるといいですね。

長い記事でしたが、少しでも皆さんの中で新しい発見があったらいいなぁと思ってます。(書いてほしいことがあればコメントしていただければ答えられるかもしれません)


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