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日本は世界の農薬大国?????

最近また、週刊誌で標題のような話題が出ているようですね。
相変わらず、FAOの単位面積当たりの農薬使用量をグラフにしたものから、
日本、韓国、中国あたりが上位に来るように切り取って、
アジア大会で銀メダルなのに、世界で金メダルのように報じる。
どこかの引用記事を確かめもせずにそのまま引用する。
やめにしませんか?そういうの。


このグラフでは、日本が世界一

確かに、日本は世界一にみえる。
けど・・・・・・・・・・

2010年、日本は11位
2016年日本は16位
2019年日本は26位
2011-2020平均では単位面積当たりでは日本7位、総使用量では日本は圏外

これらのグラフを見ても、日本が世界一に見えますか?

作物違うので農薬の種類も違う

もう一つ、FAOのデータは、成分重量での比較です。
農薬の製剤(ビンや袋)の中の成分の%は、0.5~98%くらいまであります。
それを重量換算で集計するヒマな人がいるのか?
さらに、農薬の使用量となっております。
メーカー出荷量とかならわかるけど、使用量となると、
前年と今年の在庫を加味して、今年の使用量を計算するのかな?
農家や家庭菜園で使った農薬の成分重量、
しかも塗り薬やスプレー剤なんて単位面積あたりの使用量なんて、
ほとんど計算できんでしょう。

農薬まみれのりんご?また解説するね。



まとめ

単位面積当たりの農薬使用量(成分重さ)は、日本は世界一ではない。
北海道と長野の作物が異なるように、世界の国々もことなります。
北海道は、稲、小麦、牧草、大豆、ビート、じゃがいもなど
長野は、稲、りんご、ぶどう、そば、白菜など
作物が違うので、使う農薬が異なります。
同じ稲でも病害虫の出方も違います。
アメリカは、トウモロコシ、大豆、小麦など農薬なしでもそこそこ育つ作物が多い。
中国、韓国、日本は作物の中でも水田面積が多い。
そのため除草剤の使用が多いとみられる(少なくとも日本はデータあり)。
それをすべて一緒くたにして、重さだけで比較しても、
意味のないことです。
仮に日本が1位であったとしても、
日本の全作物が「農薬まみれ」というのは、間違いです。

私は、農薬会社に30年勤務して、そのうち20年営業してましたから、
「日本は世界一の農薬大国」こういう話聞くと、
直観として、アレ?と思うのです。
一般の人は気づかないでしょうから、そのまま鵜呑みにするのも、
無理はないですけど、
どこのだれが、どの表やグラフで言っているのか、
ぐらいは気にした方がよさそうです。

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