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エンタメ業界で、なぜかうまくいく人の特徴3つ【就職・転職・キャリア】


私はエンタメ業界には転職で入りました。
この業界に入る前は、他の業界で働いていました。

最初の会社では、いわゆる営業の仕事をしており、スーツを着て、ネクタイを締め、名刺の渡し方や、初対面での挨拶といったビジネスマナーを教わり、営業トークのロープレを経て、上司と共にOJT、という典型的なサラリーマンをやっていて、一通り社会人というものを経験して、その後、縁あってエンタメ業界に入りました。

普通(?)の会社の働き方

最初の会社で成果を出していた人というのは、とにかく飛び込み営業で数を当たりまくる、見込み客には定期的に、足繁く通い、何度も粘り強く交渉する、与えられたエリアの中で如何に効率よく件数を多く回るかスケジュールを立てる、一度の商談に時間をかけるというより、細かく回数を積み上げる、身なりもスーツをきれいに着こなし、スマートに軽い雑談は入れつつも決して会話が逸脱することはなく、丁寧にクロージングにまで持っていく、すごく「デキる」人たちでした。

決してお客様や同僚に対して、失礼なことなどしないし、相手を不快にさせることもしない、計画を立て、その通りに行動し、約束は破らず、有言実行、ミスや失敗は素直に謝る、そして定時に帰る(笑)。今にして思えば本当にステキな、大人な人達でした。

エンタメ業界の働き方

ところが、エンタメ業界に入ると信じられないくらいに環境が変わりました(笑)。
平日は打ち合わせ、休日は現場、定時の概念がない(笑)、夜中にも打ち合わせや電話で相談、手配作業を行ない、突発的な出来事には深夜でも対応、誰よりもはたらいていて疲弊しきっているので、ミスや失敗も多いのですが、物事を前に進めるためなら、自社の若手だろうが他社のベテランだろうが、人に指示してお願いして、時には怒鳴り、泣き落として仕事をさせたり、とにかく猛烈にはたらいていました。

とにかく入社3年以内の離職率が高く、自社だけでなく、取引先も人の移り変わりが激しく、他社の人からも「おたくの会社は厳しいね」と言われることも多かったです。

勿論、これは15年以上前の話で、今となってはそんなことがあったか忘れるほどクリーンになりましたが、とにかく働く人の違いが大きすぎてびっくりしたのをよく覚えています。

まともじゃない?

全員が全員そんな人ばっかりだったかと言えば、勿論そんなことはありませんよ(笑)
ごく一部ではありましたが、確かに各所に点在していましたが(笑)社内にも社外にもそういった人はいて、誰かに相談しても「あの人はそういう人だから~」と受け入れられていたのですが、他業種では少なくとも1人も見かけませんでしたので、すごい衝撃でした(笑)

そんな中でも、仕事内容は確かに人に喜ばれ、利益を出して、会社は成り立っているわけです。
ブラック企業的な性格や働き方は良くないですが、本当にブラックなだけならとっくに誰も働いていなかったでしょうし、誰にも喜ばれないなら会社が続いているはずもありません。

しかし、入社したばかりの若い社員にとっては、こんな雰囲気の中で、こんな働き方はしたくない、と思って辞めていったでしょうし、自分にしても普通に受け入れられたわけではありません。

それどころか、他業種から転職して来た私が受けた「まともじゃない」という印象は、他の業種を知らない新入社員よりも正確にその異常さを捉えていたと思います。今は、ほとんど異常なことはなくなりましたが、それでもまだ古い体質が残っている部分もあり、世間とのズレを感じることも多くあります。

とはいえ、仕事を覚えるにつれて、少しづつ実績を出す人の特徴が見えてきました。
一般的な業界で成果を出していた人と、エンタメ業界で成果を出していた人とは、少し特徴が違う、ということがわかってきたのです。

ここではその特徴を紹介してみたいと思います。
エンタメ業界ではたらきたいと思っている人にとって参考になればと思います。
今は、社会的にもブラックな人は生き残れないようになっていますから、安心してエンタメ業界に入ってもらえればと思います。

① 人の力を使う人

エンタメ業界の仕事は非常に多岐にわたります。
アーティストといった人を扱うビジネスなので、人に関わる全てのことが必要になります。
例えば、レコーディングなら快適に過ごせるスタジオの手配から、そこで長時間過ごすので快適に過ごせるような食事や設備の用意、コンサートになれば快適な移動手段や宿泊の手配、と音楽と直接関係ないことも仕事の範囲になります。
勿論、音楽制作でも作詞・作曲・編曲、そして歌い手や演奏家が関わりますし、楽曲のことを理解して、その魅力を最大限伝えるコンサートの演出をする、といった仕事もあります。

これらのことをうまくまとめること、それがプロデューサーの仕事です。

プロジェクトを進める上で大切なのは、必要な業務に対して、優秀な人たちを集めて、その力を発揮してもらうこと、つまりチームプレーが最も重要です。

過去、業界の諸先輩方は、猛烈に働いていました。
周りの誰もが「お宅の会社は厳しいね」と言われるほどでしたから。
しかし実はそのおかげで、周りの誰もが「あの人は、誰よりも努力している」と見られていました。

勿論、このご時世に長時間、休みなく働くのはナンセンスですし、それを肯定することはありませんが、昔はそう見られていた、ということです。

それで「頑張ってるから協力してあげよう」とか「大変そうだから手伝ってあげよう」となりやすかったでしょうし、とにかく人の力をうまく使うこと出来ていました。

もし今だったら逆に、「取引先とスムーズに行なうことが出来て、この人と関わると仕事がスムーズになる、だから一緒に仕事したい」とか、「いつも快く仕事を引き受けてくれる、この人のためなら協力したい」と思われることが大切なのではないでしょうか。

人のためになり、この人のためならと思われる人になる。
それが、人の力をうまく使う人の特徴のような気がします。

その為には、やはり普段から人を良く見て気にかけて、長所はどこか探しておくことが必要なのだと思います。

この本を読んでいて気付いたことでもあり、参考になりました。



普通の会社で営業をしていた時は、あくまで基本的には自分だけの成績を気にしていればよく、自分に余裕がなければ人のことを構わなくても仕事は成立していたので、ここは大きな違いかもしれません。

② 適当な人

「音楽」や「感動」、「体験」といった無形のサービスを提供するビジネスなので、いい意味で適当な人が多いです。
「いい加減」ということではなく「遊びがある」といいましょうか、ある程度ファジーな部分がないと、対応できない場面が多い業界です。
そんなときに、真面目で正確、約束通りで計画通り、予定通りの結果を得られなければ我慢が出来ない人にとっては、苦痛が多いと思います(笑)。

勿論、仕事に正確さが求められないかと言えばそんなことはありませんし、そんな仕事をしていて平気という意味ではありません。

ただ「計画通りにいかないことを織り込み済み」とか「想定外のことが起こることは想定済み」である方が、うまくいきやすいのです。

不確実性に慣れていない人は続けにくいようで、世間一般から見てまともな人が、水が合わずに辞めていくをずっともったいないと思いながら見ていました。
他業種なら必ず成功できると思う人でも、なかなか続かないことは多そうです。

実際、他業種で働いているときは、不確実なことはほとんど起きませんでした。
飛び込み営業は、常に不確実でしたが(笑)、断られるパターンや、売れるときのパターンもある程度見えてきていましたので、信じられないようなイレギュラーは少なかったかもしれません。

③ 慎重な人

これは②と矛盾するようですが、実際に両方併せ持つ人が多いような気がします。
これも多くの場面で感じることですが、コンサートならその日のコンサートは1回限りで、その瞬間というのは二度と訪れないし、レコーディングであれば作品がずっと残り続ける等、とにかくその瞬間が大切、ということが多い仕事です。

ある意味、失敗は許されないといったプレッシャーも多いですし、取り返しがつかないことがあったときは経済的な損失も大きくなります。

そうならないように、とにかくリスクヘッジを行ないます。
人が得意な分野は責任を持たせて任せてしまい、信用できない人とは組まず、多額の費用がかかる場合は、数社を巻き込んで分担する、コストは下げられるだけ下げて、収入は出来るだけ多くし、入金は出来るだけ早くもらい、支払いは出来るなら遅くしますが無理なことも多いので、普段から潤沢にキャッシュを積んでおくようにして…と、あらゆる事態でダメージが最小限になるか、致命傷を負わないように準備をするのです。

適当に見える人でも、ちゃんと考えていることが多いのが、エンタメ業界で活躍している人の特徴です(笑)

他業種の時は、慎重には違いないのですが、会社がしっかりしていたこともあり、そもそもそんなリスクを取るような商売ではなかったので、慎重でなくてもある程度の成果は得られたような気がします。
エンタメ業界では、リスクを取り続けないと決して成果は出ないので、逆に人は慎重になっていくのかもしれません。


いかがでしょうか?
一部の業界の、一部の特徴を誇張しすぎかもしれませんが、業界の方は割と共感できると思います。

もし、本記事を読んで「自分は向いてるかも?」という方は、エンタメ業界への転職を考えてみてはいかがでしょうか?

今は、不要不急と言われて厳しい業界に見えるかもしれませんが、本来楽しくてやりがいのある業界です。

今日も読んでいただきありがとうございました!

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