引用・転載 ”重大な岐路に立つ日本:いま戦間期の歴史に学ぶこと”

潮 匡人さんの論考より抜粋。

現代史を考察する上で、盲点になるのが、1920年代の世界、すなわち、第一次大戦、第二次大戦の間の時期である。1920年代の世界は「軍縮」に向かっていた。

日本は当時「孤独な帝国」だったが、確実に国際社会で地位を固めていた。
(この”孤独な帝国”については、草思社文庫から興味深い本があるので、別途考察を深めたい)。

第一次世界大戦で勝利した日本は、国際社会において、少なくとも「平和」であり、現代風に平たく言えば、「おいしい」ポジションにあった。

戦争で疲弊した欧州から見れば、「なんか日本ずるくない?」となっていても何ら不思議はない。

無論、米国との関係も良好、ソ連の誕生(1922年)、ナチスドイツの萌芽など、のちの混乱に至る不穏な流れは在るが、概ね見かけ上は良好だったと言ってよい。

重大な岐路に立つ日本:いま戦間期の歴史に学ぶこと | アゴラ 言論プラットフォーム (agora-web.jp)

現代に生きていると、「暗い戦争の陰におびえていた、戦前日本」というイメージがあるのだが、不思議な「明るさ」に満ちていたのがまさに戦間期の日本である。

太宰治は”右大臣実朝”で、「明るさは滅びの姿であろうか」と述べた。

後に生きる我々はその後の残酷なまでの歴史を知ることになる。まさに”滅びに至る明るさ”を享受していたのが、戦間期の日本では無いだろうか。

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