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大学生が外国人から学んだ日本文化と現代のライフスキル

フランスでの茶道の経験を元に現代と日本文化の関係性を紹介しています!

多くの外国人が、日本文化に興味を持つ理由は「精神」に共感できるからです。日本人の方でも自分の仕事をよりよくするために茶道を学んでいる人が増えてきています。

この記事では、「和敬清寂」の精神を元に現代との繋がりを説明していきます。

1. 「和」 〜harmony〜

和敬清寂と言われてもパッとしない人の割合の方が多いです。なので一つ一つの意味を理解していきましょう!

「和」とは、まさにharmonyです。英語を勉強している人にとっては、日本語よりも英単語をみた方がイメージしやすいと思います!

そのイメージは人で例えると、ある二人以上の集団が何かを運営する際に、全員が共通認識を持って取り組み、同じ目的に向かって取り組んでいるという感じです。また、このharmonyには人以外の全てのものも含まれています。それは、自然、物、季節、音、概念でさえも含まれます。自分の五感で感じられるもの、さらには第六感で感じるもの全てを使い空間を創造することが「和」です。

2.「敬」〜respect〜

「和」のイメージはなんとなく掴めたでしょうか? 続いては、その「敬」の説明をしていきます。
「敬」は、尊敬でしょ、そんなのは説明されなくてもわかるよ! という人、注意してください現代の日本人の多くは、respectの本質を履き違えています。

現代の「respect」の指標はInstagramやfacebookの「いいね」や「コメント」です。多くの人がその他人からの「respect」を求め生活をしています。
余談ですが、パリの観光地で写真を撮りすぐにInstagramにポストし、「respect」を確認するとすぐにそのスポットから出ていく若い日本人をたくさん見ました。

茶道での「敬」とはその人自身に対する「敬」です。戦国時代でのお茶会の場では鎧や刀などその人の身分が分かるものを、お茶室に持ち込むことを禁止していました。大名であろうと農民であろうと関係なく人を尊敬することが茶道の精神です。

現代では、スマートフォンはもちろん、腕時計、アクセサリーなどその人自身ではないものを身に付けることを禁止しています。現代人にとっての鎧や武器を全て外し、人を大切にします。そしてその人の個性や思いを尊敬するのです。

あんな仕事しているから、ブランド品を持っているから、あの子と友達だから、などの表面的でしかない理由でのrespectは本来のrespectではありません。それは嫉妬や妬み、劣等感からくる感情です。その人自身を見て、本当にrespectできる人を指針にすることであなたの成長スピードは何倍にもなるでしょう!また他人を気にして消耗する時間や体力の節約にもなりますね。これが昔から現代に繋がる「敬」の本質です。

3. 「清」〜purity〜

静は純粋な心を表します。茶道では、物を丁寧に扱い清潔に保つことや準備の大切さと関連づけられています。また、「清」の精神を怠ればお茶の味も美味しくはなりません。

現代の仕事と「清」の精神は深く関係しています。学生のミーティングや会社の会議でよくあることは二つあります。一つ目は、全員が自分の考えを提案し、結論が出ない。二つめは、少数の人がどんどん物事を進め周りの人は、ついていくだけ。どちらのケースも後々問題が出てきて、二度手間になってしまったり、完璧な結論を出すことは難しいです。

ここでそのような状況を変えたフランスの大企業ミシュランの例を説明します。

当時のミシュランも結論がうまく出せずに停滞している時代がありました。しかし、会議に時間をかけ、一人一人の疑問や考えを全員で解決し全員が清潔な状態で会議を終えることを心がけたところ、会議の時間は倍に増えましたが全員が同じベクトルで進み、問題が起きにくくなりました。またこのやり方を提案をしたのもフランス人の茶人だったそうです。そしてそのやり方はフランスに広まり、多くのフランスの企業は「清」の精神を元に仕事に取り組んでいるところが多いです。
現代において物事や自らを清らかにするということの重要さは増しています。

4.寂 〜tranquility~

日本の武道やmartial artsの精神の本質は戦わないことです。何があっても動じないという意味を持つ「寂」の精神は現代にも通じる部分があります。

人のは5つの欲求の種類があります。そして、現代の人々は社会的欲求を満たすことに集中しています。
社会的欲求とは、外的要因から満たされる欲求のことです。例えば、孤独にならないように集団に属したい、他人から認めてもらいたいなど、主に社会的な地位を上げたいというような感情を表したものです。

社会的欲求を満たすために人々は努力します。私がパリで見た『インスタグラマー』達もその一人でしょう。また、現代には他の人のSNSでの投稿を見て自分も負けじと投稿する人で溢れかえっています。茶人は言うでしょう。「現代の人はまだそんなことで消耗しているの?」
他の人が何をしてようと動じずに、自分と向き合い、自分の人生を生きる。これこそが現代版「寂」の精神です。好きなことで生きていく時代になりつつある現代ではとても重要な考えですね。

5.まとめ

和敬清寂と現代ライフとの繋がりは理解できたでしょうか?あくまでこの記事で紹介したことは私のイメージです。和敬清寂に全てのものに関係しているのでその人の考え方や個性によって理解の仕方は変わってきます。しかし、本質は同じです。
そして読んでいて気がつく人もいると思いますが、「和」「敬」「清」「寂」にもたくさんの共通点や繋がりがあります。このような言葉を作った昔の人はすごいですね(笑)

このスキルを理解すればするほど、自分自身や友達、家族、上司など様々な人と向き合うことができます。人間、物、環境など全てにおいてこの精神のフィルターを通すことができるので、今の状況に満足していない人や、新しいことにチャレンジしたい人、自分自身と向き合いたい人、日本文化の玄関である茶道と一緒に和敬清寂の精神を学ぶことをオススメします!


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