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スギナを茶にして飲んでみた/お父さん

 今日の草刈りはスギナ。畑一面にびっしり生えている。
根が深く、30cmくらいになるらしい。
その根から取らないと、またすぐに生えてきてしまうという。
 だが、いざ掘ってみると、そんなに深く取るのはとても無理。
それに生えている数が半端ではない。
取りあえず、片端から引き抜くことにして、堆肥置場に運んでいく。
 
 引っこ抜いているときは単調だが、まとめて堆肥置場に運んでいくときは案外楽しい。少しづつだが、スギナの山が大きくなっていくからだ。
 
 これは永遠に続きそうだと思いながら引っこ抜いていると、
しかし、雑草の生命力というのは大したものだなあ、という気になる。
そして、呆れかえっちゃうなあと思いながら、ふと思いついた。
こんなに強いのだから、食べられたら、いいんじゃないか?
大体、野菜かどうか、雑草かどうかなんて、
人間が勝手に決めたものだろう。
 
 そう思って、家に帰って調べてみたら、正に、スギナ茶というものが
あった。強烈なだけに、食べるというよりは煎じて飲むぐらいが
ちょうどいいようだ。
 
 そこで、スギナを刈ってきて、きれいに水洗いし、天日干しにしてみた。
1週間ほど干したものを小さく刻んで急須に入れて、お湯を差してみる。
3分くらいではほとんど色がつかないが、5分ほどいれると、
うっすらと黄色みが出てくる。
茶碗を口に近づけるだけで、スギナの香りがぷーんと鼻につく。
香りが強くて、味はさほどでもない。
 
 確かに、これは薬草というものなんだろうという味である。
色々と、体にいいことが書かれているので、しばらくは飲んでみようか
と思う。
何か、変化が現れるだろうか。
 
畑では厄介なものであるスギナ。
だが、野菜や果物だって、元々は似たようなものだったろう。
野生の植物を、私たちの祖先が、それこそ何千年もかけて、
現在の姿に改良してきたものだ。
だから、草を、ただの雑草として捨てるだけでは勿体ない。
お茶にしたぐらいで大袈裟だと笑われそうだが、
自然との距離が一歩縮んだ気分になっている。

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