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#放送作家

「90’s ナインティーズ」西寺郷太著を読んで

「90’s ナインティーズ」西寺郷太著を読んで

 NONA REEVESのボーカルである西寺郷太さんの自伝的小説を読み終えた。様々な思いが去来し、まとまりきらないので頭に思い浮かんだことから羅列したいと思う。
 ・下北沢のミュージックシーンを彩った文化的ゴールドラッシュ話。
  それを経験する者と経験しないでブレイクするには?
  ホコ天、イカ天世代とそうでないもの。
 ・さらに言えば、漫才ブームの後のダウンタウン、音楽番組がほぼ絶滅した後のS

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「泥の中を泳げ。テレビマン佐藤玄一郎」吉川圭三、を読んで

「泥の中を泳げ。テレビマン佐藤玄一郎」吉川圭三、を読んで

テレビマンが描く「テレビ業界」を舞台にしたリアル 元日本テレビのプロデューサーである吉川圭三さんの小説である。吉川さんと言えば、テレビ業界人ならば誰もが知るであろう王者日本テレビの立役者の一人である。詳しくはこちらの記事をご一読いただきたい。

 テレビマンによる「テレビ業界」を舞台にした小説だ。必然的にリアリティー溢れる世界が描かれているだろうことは容易に想像がつく。実は本を読む前にこの小説の発

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「藝人春秋3」~死ぬのは奴らだ~水道橋博士を読んで

「藝人春秋3」~死ぬのは奴らだ~水道橋博士を読んで

「人間愛の詰まった一冊」からどんな本に?藝人春秋2において、僕はこの本を「水道橋博士の人間愛が詰まった一冊」と紹介させていただいた。

「文筆家」としての博士を楽しむ今回の藝人春秋3を読み終えて、すぐ、僕の頭の中にはいくつかのキーワードが浮かんできた。読後感としてあまりにもいろいろ感情が沸き起こる。それは博士自身が本の中に数限りない「罠」というべきか、「仕掛け」と言うべきか、上手く言えないが様々な

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藝人春秋2~ハカセより愛をこめて~水道橋博士を読んで

藝人春秋2~ハカセより愛をこめて~水道橋博士を読んで

タレントとは親しくしないの禁を破る待望の博士の本がいよいよ文庫本となって発売された。文春での連載当時、欠かさず読んでいたが、諸事情あって単行本は読んでおらず、記事の内容も私の頭から風化している。それゆえに新鮮なネタとして読まさせてもらった。

感想を書く前に、最近、博士と話す機会に恵まれ、懇意にさせていただいている。私は放送作家としてずっと身近にいながら、遠くから眺めている時間が長かった。というの

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