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愚かさという病。

貪瞋痴の最後は「愚痴」。

愚痴は、物事の道理を理解せず無関心であることです。

これがあるために人は他のたくさんの煩悩を抱えることになるので、

全ての煩悩の根源とされます。


物事の道理というのは、主には因果の道理。

そして、空ということです。


縁起によってこの世界のすべてが繋がっていること、

何一つそのものそれ自体で独立して存在するものはないこと。

これを知らない、知ろうとしないことが愚痴。


仏教で言うところの愚痴や愚かさは、

簡単に言うと、ほぼ三大欲求だけで生きていて向上心がないということです。

これは「愚痴」が対応する六道の世界が畜生道であることを考えると

わかりやすいと思います。


動物は野生状態にあるものは

生き延びることだけで精一杯ですし、

人に飼われているものは食べることには

不自由ではないかもしれませんが、

使役されたり閉じ込められたり

将来的には殺されて食べられたりする

という苦しみから逃れることができません。


動物は道理や真理を考えて

理解したり学ぼうとする能力がないというよりは、

環境からそうする余裕がないという方がより正確です。

確かに人間に比べれば言語や論理で考える能力は

少ないかもしれませんが、

ペットを飼ったことがある方ならご存知の通り、

彼らは彼らなりの知性や理解があります。


逆に余計なことを考える人間に比べたら、動物たちの方が

自ずから道理や真理に沿っている生き方をしているかもしれません。


せっかく人間に生れながら向上心を持つことができない、

それは非常に苦しい環境にあったとしても

とても残念なことです。

動物には難しくても、人であれば、何かの方法によって

向上する機会やきっかけを掴み、身につけていくことが

できる可能性があります。


生きるということは変化することです。

今いるところが不本意であるならば、

必ず変える方法があります。


愚かさというのは

習慣であり、傾向であり、状態です。

性質として愚かであるものはいません。


愚かさという病を癒す薬は智慧。

無明の闇を破る光です。


今まで苦しんできた無力感や無価値観、投げやりな気持ち、

苦しい思いにそのままに打ちひしがれるのではなく、

それを解きほぐして自分にとってより良い方向へ

抜け出していくために、

暗闇の道を照らし、方向を示す星となり、

物事を正しく見るための灯となる。


そういったものが智慧です。

サンスクリット語では「プラジュニャー」。

音写すると「般若」。

そう、あの般若心経の「般若」ですね。

これによって、

自分の考えや認識や感覚を覆っているものを明らかにし、

正しい働かせ方をできるようにする。

まずそこから始めて行きましょう。


あなたは如来と同じものでできてるのですから、

必ず向上することができます。

そのことを決して忘れないでください。

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毎月24日はお地蔵さまのご縁日。

この日に小さな法要を営み、

生きとし生けるあらゆるものへの祝福

この世界にあるあらゆる諸霊へのご供養

全ての大地から生まれるあらゆるものへの感謝

をお祈りいたします。

お地蔵さまへのお願い受け付けてます。

締め切りは4月20日です。

宗派宗教にかかわらずお申し込みいただけます。


お問い合わせ、お申し込みは下記アドレスまで。

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