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左前に着たりするのもありますよ。

本日で無事地蔵会結願です。
夜には施餓鬼供養も行いました。
また来月よろしくお願いします!

だんだん夜暗くなるのが早くなってきましたね。
虫の声もすっかり秋の風情です。

仏教の僧侶は世界中いろんなところにいらっしゃいます。

これは2019年ベトナムで行われた国連ウエサクデイの
コンベンションのランチタイムの様子。
いろんな国のいろんな僧衣を着ておられるお坊さんが
いっぱいです。

大体男性の僧侶はこの黄色っぽい色の衣をつけておられるのですが、
尼僧の場合はピンクや灰色などちょっと変わった色の衣を
着ていることもあります。

チベット密教僧の方にお話を聞くと、その方が着てもいい色は
辛子色っぽい黄色と臙脂っぽい赤色と灰色がかったダークブルーの
3色だそうです。
防寒のために着るフリースやダウン、下に重ね着するTシャツ
などもこの色のもののみだとのこと。

日本以外の仏教国では、戒律によって僧侶は俗衣を着ては
いけないので、常に僧衣を着ておられます。

海外のお坊さんにお話を聞くと、日本のお坊さんがつけている
白と黒の僧衣はかなり変わってる感じがするとのこと。
諸外国の仏教徒の間では白は在家の篤信者の方が
着る色なので、あれっと思うそうです。

特に、通常日本のお坊さんが移動時に着ていたりする
白い衣の上に短めの袖の黒い衣を着て、首にかける形の袈裟
という姿は一体なんなのかさっぱりわからないとのこと。
ちなみにこの組み合わせは改良服(黒い衣)と五条袈裟です。

昔は日本でもそうだったのですけど、
僧侶の着ている衣と袈裟の形でその人がどういう種類の
戒律を授かっているかがわかります。
日本では今はかなり独自の形になっているのですね。

でもその独自さが面白いから一緒に写真とって、と
改良服姿の同行した大学生阿闍梨が次から次へと
現地のお坊さま方に写真を頼まれてました。

特別な修法のためいろんな色の僧衣と如法衣を着ている方々が
入堂しています。
修法の時に着るこの衣は褊衫(へんざん)と言いますが、
これがもっともインドの古式に近いものとされています。

これは律衣といって律宗の教団で用いられるもの。
左前に着て、上下が分かれているのが特徴です。
かつては真言宗の戒律も四分律を重視していたので
この衣が用いられ、現在もその名残で使われています。

また、大きな法会やお葬式、特別な時に金襴のゴージャスな上着
のようなものを着ていることがありますが、
これは衲衣といって最上の袈裟。

2018年に行われた学修灌頂。こういった大切な儀式の時に
着用されます。

衲衣は元々は前回もお話した糞掃衣と同じで、
捨てられた布を拾って継ぎ合わせて作った袈裟のことですが
中国に入って華美になり、日本でも金襴や錦など
贅沢な布で作られるようになりました。

大変高価なのでお寺で代々受け継がれている寺宝のような
ものでもあります。
私はもちろん持ってません(笑)

ゴージャスでも糞掃衣のスピリットを受け継いでいるため、
こういった袈裟は必ずつぎはぎしたパッチワーク状になっていて、
このパッチワークの布が何列あるかによってそのランクが
決まっています。

パッチワーク状になってるのわかります?
これは如法衣。僧衣の上につける袈裟です。
得度の時に授かるのもこれです。
一番最初に授かる袈裟ですが、これは七条袈裟で
いつでも使える用途の広いもの。

得度式が終われば白衣の上に僧衣の空衣(うつお)、
そして如法衣をつけて出堂し、僧侶としての人生が
始まります。

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