上半期エンタメ総括2023~音楽編~
編集の都合でカットしてしまった音楽について、落合といほりのそれぞれに選んだ曲・アルバムを紹介します。
うちらの「上半期エンタメ総括」はspotifyやapple podcastなどで聞けます。
落合の選曲
・7 『rice spice』
ラップスタァ誕生でもかなりの存在感を見せつけていた7、海外でバズり雑な所感を抱かれた後のアンサーとしてのこの『rice spice』は、レスポンスの速さとメッセージの強さを含め、ヒップホップのタフな部分を見た気がしました。同じくラップスタァに出ていたvalkneeのリリックを引用して呼応していたのも嬉しい。ヒップホップに限りませんが、生き様をエンターテイメントにする強さがあること自体、恐れと共に憧憬があります。
・スピッツ『美しい鰭』
スピッツはどの年代でもど真ん中で優しく響き続けるスターバンドですね。アルバム『ひみつスタジオ』もとても良かったです。
・月ノ美兎 歌ってみた『Around The World』
Vtuber月ノ美兎の歌ってみたです。MVの再現度も素晴らしいです。特別Vtuberに詳しいわけではないのですが、Vtuberのカバーの面白さは、本人や活動の文脈がどれくらい乗っかるかにもあると思っていて、委員長はいつもそれが上手だなと思います。今モンマジを選ぶ強さもいいですね。オリジナルアルバム『月の兎はヴァーチュアルな夢を見る』も、とても名盤です。
・XG
『SHOOTING STAR/LEFT RIGHT』、良かったです。88risingのフェスもかましていて、どこまでも行ってくれ!の気持ち。ドキュメンタリーを見ると様々な気持ちになってしまうのですが(アイドルの仕組みと消費の関係が私には恐ろしいので100%で全力応援が出来ない涙)、コンセプトをモノにしている様子を見ると、インプットとアウトプットのバランスが整っているんだろうなーと勝手に思っています。同時に、ここまで日本市場を置き去りにする覚悟がないと、こういうグループは出ないのかな…と悲しく思います。ココナとジュリンの『nothin'』カバーも良かったです。
いほりの選曲
・SIRUP/Skaai/uin『FINE LINE』
Skaaiのラップスキルの高さと、SIRUPの耳心地の良い歌声に気持ち良くなっていると、切れ味のあるリリックにピリッとする瞬間があります。SIRUP自身にもそれを感じていて、屈託のない笑顔と愛ある眼差しで歌う彼は、今年のフジロックのMCで「戦争反対、差別反対、全部嫌い」だと話しました。”アーティストは政治的な発言をするな”という空気を吹き飛ばして進む姿は眩しいです。大衆に向けて自分の意思を表明するのは怖いことだけど、立ち向かい続ける彼の強さや根底にある愛に、わたしは力をもらっています。
未来は暗いと感じる日々ですが、彼のような人が今ここにいることが希望じゃん?とも思うのです。Skaaiのグローバルなルーツを持っているからこその言葉や思考も好きです。共鳴して繋がっていく彼らを見ているとこれはさすがに光だな…と思います。
・cero『eo』
ceroの核にあるピュアであたたかいところと、進化し続けている部分とが絶妙なバランスで織り込まれていて嬉しかったアルバム。高城くん(vo)の歌声は年々深みが増していると思います。光の粒子が降り注ぐようにふくよかで繊細。好きです。かなり高度なことをしているのに、『Evening news』のような素直でつつましい曲を生み出せるのも、それを表現できるのも素敵です。
・カネコアヤノ『タオルケットは穏やかな』
上半期いちばん聴いたアルバムです。カネコアヤノの持つ純粋で真っ直ぐな力は、わたしの心を柔らかくも強くもしてくれます。歪でままならない”わたしたち”のことを歌ってくれる彼女の人間性が伝わってきて、何度聴いても胸が熱くなります。
・NCT127『Sunny Road』
ドラマ「クールドジ男子」を引きずっているのでこの曲も貼らせてください。わたしは、男の子たちの互いを尊ぶ関係性を遠くから見るのが大好きです。ピースでハッピーなライブ中の彼らや、ドラマの中のやさしさに包まれた彼らがこの世界に存在していてほしいのです。
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