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先生は本と映画です。

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タイトルの通りです。本や映画という先生から感じたことを書いています。
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#note書き初め

PERFECT DAYSの「虚構」が示す「希望」

PERFECT DAYSの「虚構」が示す「希望」

俳優の役所広司さんが、カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞した「PERFECT DAYS」を見てきた。

「PERFECT DAYS」はトイレの清掃員として働く役所広司演じる平山の日々のルーティンを淡々と描いた作品だ。非常に面白い作品である一方、その中である違和感を感じた。それは、描かれている日常でたびたび挟まれる「虚構」だ。
(以下ネタバレを含みます)

計算されすぎた「日常」に感じる「虚構」例え

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個人的な話が社会問題と繋がるから映画は面白い。2022年の映画ベスト10

個人的な話が社会問題と繋がるから映画は面白い。2022年の映画ベスト10

2022年公開の映画の中でベスト10を。

カモン・カモン(脚本・監督 マイク・ミルズ)子供は写し鏡。

もしも、明日から9歳の甥っ子を預かるとして、その子とうまくコミュニケーションを取れるだろうか。9歳は、「9歳の壁」という言葉があるくらい、子供の成長発達段階において大事な時期な一つで、イヤイヤ期とも呼ばれる。

本作はラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン・フェニックス)とそんなイヤイヤ期真

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