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「桃が食べたいんじゃない?」20'1011の日記

最近、どうにも悲劇耐性が落ちている気がする。

・先日、耳鼻科の待合室でテレビが流れていた。席の位置的に画面が見えなかったので、スマートフォンを触りつつ耳だけ傾ける。

・どうやら何かのドラマ、それも第一話らしい。タイトルは『35歳の少女』。10歳の頃に事故に遭い、植物状態となった少女が25年ぶりに目を覚ます。精神は10歳のまま、体は35歳のちぐはぐな状態となってしまった…というあらすじ。画面は見えないので音声だけ、それも10分ほどしか聞いていないのに無性に辛くなってしまった。

・少女は目が覚めて動揺するも声が出せず、老いた両親は意思の疎通に苦戦する。少女の様子を見ていた姉?(妹?)が、「もしかして、桃が食べたいんじゃない?」と言う。少女は桃が好物だったのだが、寝たきり25年の歳月で喉が枯れ、上手くそれを伝えられなかったのだ。

・なんかここが凄い心に来た。何度も言うが声しか聞いてない上、メチャクチャ冒頭のシーンである。胸が苦しくなって、早く診察の順番来てくれとひたすらに祈っていた。

・冗談みたいな悲劇でも、嘘みたいに低い確率で起こりうる。自分も、かつて爆笑してしまうような不幸のコンボを食らった。マジすぎる内容なため、あまり詳しく書けないけど。それがあまりに作り話のようだったから、作り話の悲劇を地続きで考えてしまうのかもしれない。

・単純に歳を重ねて心が弱っただけかも。


・シャニマスの話でもするか。

・Pカップ始まりましたね。僕は8月からシャニを始めたので、このイベントとは初の邂逅。10日間(だっけ?)の間に稼いだファンの合計数でプロデューサー同士が競い合うらしい。小耳に挟んだ時は「あぁ、ソシャゲによくある周回イベね」くらいの認識だったけど、冷静にイベントの仕様を考えたらゾッとした。軽い気持ちで参加しようとしてたけど思わず脚がすくむ。

・1日のうち6時間、お休みタイムというものがある。この時間に増えたファン数は集計されないから、カウントの対象になるのは18時間×10日。厳密に言えば開始日は15時スタートだから171時間。

・この18時間、プロデューサー達はゲームに張り付いて担当アイドルのファンを稼ぎまくる。シャニマスは力を入れるタイプのオタクが多いので、有給などの手段を使ってぶっ通しでやる猛者も多い。彼らガチ勢は寝る間も惜しみ、お休みタイムですらプレイや編成の最適化に充てる。熱気と狂気だ。これまでの自分が観測できていなかった祭りがここにある。

・Pカップについて語る掲示板に「お休みタイムは寝た方が効率的かもしれない」と書いてあったのは面白かった。

・「確かにヤバいけど、他のゲームでもそういうイベントあるんじゃない?」と思う人も多いだろう。最初は僕もそう思っていた。噂に聞く古戦場とか。やったことないけど。

・ゲームを始めてそれなりに手札も揃い、プレイも慣れてきた。だからこそ今、Pカップの恐ろしさが分かる。10日間という長い期間。対人であるがゆえリアルタイムで変動する順位。上位10名にしか与えられない希少な称号≒担当アイドルへの愛の証明。そして何より、このゲームは周回において脳死プレイが決してできないという事実。

・もちろん、希少なカードやスキルが揃っていれば序盤をゴリ押しで進めることはできる。が、そこから先はある程度考えて采配しなければランダム性に対応できない。仮にそれが叶うだけのパワーが揃っていても、オーディション(他のゲームで言う戦闘)は割と難しめの目押しが要求される。

・つまりPカップ走者は常に頭を動かしつつ、反射神経を研ぎ澄まし、自分の前後を走る競争者に怯えながら、法が定める労働時間の倍以上の時間をゲームに費やし続ける。凄い。僕はそういう人達がかなり好きだ。切実な感じがするから。

・ちなみに僕も挑戦自体はしてみた。Exスキル集めも兼ねたかったので、SランクWING優勝でクリア(一周につきファン+110万人前後)……これが今できる最大効率だったので頑張って回してみる。

・5周目で脱落した。時間にしておよそ二時間半くらい。

・無理だ。集中力がもたない。シーズン2まではある程度パターン化できるものの、流行を気にしつつ戦法を変えてオーディションに挑み続ける事、そして火力がギリギリなので目押しは可能な限りPERFECTを出す事……途中でワケがわからなくなった。ドライアイになりそうだ。

・トップ層は僕の半分以下の時間で倍以上のファンを稼ぐらしい。マジで?


・シャニマスの事になるといきなり文量が増えるな………

・Pカップ走者の先輩プロデューサー達、体調に気をつけて頑張れ。

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