(小説)砂岡 1-2「ミカタ」
「男なんてただ精子を振り撒くだけの生き物だ。」
by塩崎
わたしと森川君との間にはこんな関係があった。奇妙な信頼関係だ。2年前、わたしが2人目の女の子と別れた日、彼がモノガミーだと告白した日、つまり、わたしがレズビアンだと彼に告白した日。その日以降からの関係だ。当然「このご時世」そう容易に打ち明けられるわけもなく、いま現在わたしが同性愛者だと知るものは森川君と妹と前に付き合ったふたりの女の子だけだ。ひょっとしたら、塩崎も気づいているかもしれないが。
さて、今日の議題はな