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現場はどこか?

 生命科学、いわゆるバイオ系で大学院生だったこともあり、研究者のキャリア問題はバイオ系の視点で捉えている。

 バイオ系が民間企業の需要が極めて乏しいことは、各種資料から示されている。

 このe-CSTIを使えば、さまざまなデータを見ることができるが、手っ取り早く見るには、この辺りがいいだろう。

 ここにリンクされていた総合科学技術・イノベーション会議の資料を見ると、バイオ系は本当に悲惨だ。

バイオ系のニーズは悲しくなるほど低い。

 私自身がバイオ系研究室を追放されて、仕事を探そうと思った時、全くニーズはなかった。時は1998年。就職氷河期が最も厳しい時期。

 実際私以外にも、非常に苦労している知人は多い。私は幸いにも医学部に進学でき、医師になったのでなんとか生きているが、もしそのまま研究を続けていたらと思うと本当に恐ろしい。

 これが私の「現場」からみた風景だ。

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このマガジンでは、“めずらし医“である病理医の中でもレア中のレアなフリーランスの病理医からみた病理診断、医学界の話、研究者になることに挫折し学士編入学を経て医師になった者から見たキャリアの話、そして「科学ジャーナリスト賞」受賞者の視点から見た科学技術政策の話の3つの内容を中心に綴っていきます。

フリーランスの病理医兼科学ジャーナリストである榎木英介が、病理、医療業界や博士号取得者のキャリアパス、科学技術と社会に関する「機微」な話題…

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