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研究者雇い止め問題の本質

 2022年3月、理化学研究所の労働組合が記者会見を行った。

 2023年3月末で600名を超える研究者が雇い止めに遭うという。労働契約法の特例、無期雇用転換権が得られる10年を前に、有期雇用の研究者の契約を打ち切る、いわゆる雇い止めが行われるという。

  詳しくは上記記事をご覧いただきたいが、その後日本共産党の田村智子議員の質問に文部科学省が答えたところによると、大学や研究所でその数は4500人にも達するという。

 こうした状況はScience誌やNature誌も報じており、私のコメントも掲載されている。

 7月13日には日本記者クラブで講演をさせていただいた。

 論点は大体上記の講演や記事の中に入れたつもりであるが、以下はさらに踏み込んで私の考えを書いてみたい。

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このマガジンでは、“めずらし医“である病理医の中でもレア中のレアなフリーランスの病理医からみた病理診断、医学界の話、研究者になることに挫折し学士編入学を経て医師になった者から見たキャリアの話、そして「科学ジャーナリスト賞」受賞者の視点から見た科学技術政策の話の3つの内容を中心に綴っていきます。

フリーランスの病理医兼科学ジャーナリストである榎木英介が、病理、医療業界や博士号取得者のキャリアパス、科学技術と社会に関する「機微」な話題…

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