医学部など全く考えていなかった私が医師になった理由
今年で医師になって20年になる。思えば人生の半分弱を医師として働いていることになる。
32歳で医師になって20年。ということは52歳になっているわけだ。当たり前だが。
この20年は必死に働いてきた。
あえて初期研修で救急病院(神戸赤十字病院)に飛び込み、もまれた日々。
たすき掛けプログラムで大学病院で過ごした日々。
病理医を目指して奮闘した日々。
へき地の一人病理医としてすべての責任を負ったあの頃。専門医試験に落ちてガーンとなったあの日。
働き方改革も何もない時代。自分自身、出遅れて医師になった自覚があったので、長時間労働を厭わず働いた。職場に段ボールとシュラフ(寝袋)で寝た日々が懐かしく思い出される。
働きすぎてか、期外性心室頻拍が出まくり、気持ち悪くなったこともあった。そのころ設立された全国医師連盟に加入した。
ともかく、医師になってからは、忙しさに苦しむことはあっても、医師になったことに一秒たりとも後悔したことはない。
しかし、私は高卒時の大学受験までは、一秒たりとも医学部が選択肢にのぼったことがないほど、医師になろうと思っていなかった。
そんな私が、どうして医師になったのか。逆に言えば、どうして最初の受験の時には医学部を全く考えていなかったのか。
今日はそのあたりを振り返ってみたい。
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